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【2011年相場特集】:QE3への延長拡大はあるのか?(その1)

みなさん、こんにちは!
為替千里眼、なんだか急にドル売りに傾斜していてビックリではありますが、昨晩のNY市場では、薄商いの中で米債7年物の入札が好調だったことなどから米金利が下落し、ドルがほぼ全面安の展開となっております。まぁ、フローそのものがありませんので、値動きもそれなりに大きくなるとは思いますが、昨晩の7年債入札は、前日の5年債の低調さとは裏腹に予想以上の需要を集め、海外中銀などの間接入札者による落札の割合が、09年6月の入札以来最大(前回42%、今回64%)となったことなどもインパクトを与えております。今週は、2・5・7年債と一連の入札をこなしましたが、2・5年債は米国内プライマリーディーラーによる落札が全体の約6割を占めたのに対して、昨晩の7年債でのライマリーディーラー比率は約3割と、再び米債選好が強まるとの思惑が台頭、これが逃避的な需要なのか、国債買取を背景とした需要なのかは分かりませんが、前日の5年債入札の低調さがかえってサプライズの呼び水となってしまったようです。

さて、2010年相場も今晩の米マクロを持って終了となりますが(厳密には明日もありますけど・・・)、やはり皆さんの視点は既に2011年動向に移っていることと思います。やはり鍵となるのが米QE2であったりQE3であったり、欧州債務問題の着地点だったりすることと思いますが、肝心要となるのがやはり米金融政策でありQE2であると思いますので、年末特集と称して、まずこのQE2に関する詳細のおさらい、そしてQE3の可能性の有無についてなどをお話していきたいと思います。

まず、QE2に関しましては11月2-3日でのFOMCにて決定された量的緩和の第2弾で、量的緩和を示すQuantitative Easingの略であることはご周知のとおりです。WSJ誌では、この量的緩和の第2弾を豪華客船のクイーン・エリザベス二世号(QE2)にかけて命名したお話は有名ですが、このFOMCで決定された内容としては「2011年4-6月期末までに6000億USD、月間で約750億ドルの国債買取りを実施」ということ、さらにFOMC声明では「証券買取りペースと資産買取りプログラム全体の規模を入手された情報に照らして、買取規模を定期的に見直し、最大限の雇用と物価安定を最も促進するのに必要とされるようなプログラムの調整を行う」としておりましたので、要はFOMC会合ごとに買取り額を見直し、経済状況に応じて最終的な規模が縮小する可能性もあれば、拡大する可能性もあるということを付け加えております。実際には6000億USD規模としつつも、それはあくまで目安であって上限は設定していないということが重要です。

ご周知のとおり、市場の思惑としては足許のマクロが好調を呈しており、QE2の継続は難しいのでは?との見方が強まっておりますが、Fedの視点は「中銀としての二重の使命」であるインフレ率や失業率に焦点が当てられておりますので、その他マクロが好調であっても失業率が低下しない限りは、QE2の縮小や途中切り上げという可能性は相当に低いと思われます。QE2決定以降、利回りは上昇(債券売り)し、ドル高が急激に進んだのは、ある意味市場の行き過ぎた楽観的な見方があったと思われますので、再び足許のマクロが鈍化傾向に陥るようであれば、QE2に対する正当化が始まりドルが軟化するという非常に脆い地合いでの上昇であったことは言うまでもありません。

ちなみに余談ではありますが、約半年で6000億USD規模の買取額と言われてもイマイチ規模感が掴みにくいかと思いますが、世界最大の米国債保有国である中国の保有規模が約9000億USD弱ではありますので(10年近く掛けてこの規模です)、半年で6000億USD規模という金額が如何に大きいかは、ある程度想像できるのではないかと思います。

お察しのとおり、QE1につきましては先の住宅ローン担保証券(MBS)の買取等、約1.7兆USDの買取を実施し、当時大混乱となった住宅差し押さえや住宅金融などの相次ぐ破綻は収束いたしましたが、日本でもお馴染み「量的緩和」の本来の目的は、金融機関に潤沢に資金提供をすることで、利回りを低下させ、流動性を高めて積極的に融資を増やし、企業活動を活発化させることである以上、単に湯水のように資金供給を行っても、肝心の企業が積極的に借入れを増やさなければ目に見えて効果は表れませんし、むろん雇用が増えることもなく、間接的に一般消費者の消費意欲も高まらない訳で、正直「量的緩和」そのものの限界が見えてきてしまっているのは、市場参加者の本音でもあり、Fedの本音でもあります。ただ、Fedの使命でありますインフレ率は、コアで0.0%というディスインフレの状態、失業率も10%に向けて上昇基調を強めている状況下においては、これ以外の選択肢はないというのが実情でもあります。

米経済状況を考慮すれば、金融政策面からのインフレ期待の押し上げと実質利回りの押し下げが継続されるという見方は当然ではありますが、実際にQE2にどのような効果が期待され、テクニカル的にどのような状況になっているのか、それにより今後どのようになるのか、と言う点は、次回更新でまた取り上げたいと思います。

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