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北極政策 眠る資源。国際ルールが必要

北緯66度33分39秒より北の地域の「北極圏」。夏季以外は大部分が凍結している地域である。

北極点を中心に広がる北アメリカとユーラシアの両大陸に囲まれた海域は「北極海」と呼ばれ、ロシア、カナダ、米国、デンマーク、ノルウェーの北極海沿岸5カ国に、フィンランド、アイスランド、スウェーデンを加えた8カ国が「北極圏国」とされている。

その北極圏に今、世界各国から熱い視線が注がれている。日本政府も今月、北極圏に関する基本政策を初めて決定した。地球温暖化の影響で北極海の氷が溶け、大幅に減ったため、氷の下に眠る石油や天然ガスなどの資源を開発できる可能性が出てきたことが主な理由である。

米国地質調査所は、石油が900億バレル(世界全体の13%)、天然ガスが1670兆立方フィート(同30%)埋蔵されていると推定。北極圏は、世界のエネルギー情勢を変えかねない「残された大きなフロンティア(未開拓地)」(オバマ米大統領)である。

また、海氷の減少で、夏に船舶が航行する航路として利用することが容易になっている。アジアとヨーロッパを結ぶ最短の航路となるため、物流での積極的な活用が期待されている。

そこで急がなければならないのは国際ルールの確立である。北極圏については、南極条約のような特別なルールが存在しない。南極圏には大陸があるが、北極圏にはないため、国連海洋法条約をはじめとする海洋ルールが適用されているにとどまる。

条約で軍事活動を禁じている南極圏とは異なり、北極圏では、他国の領海の外であれば、軍事活動が可能である。北極圏での主導権獲得をめざすロシアは海軍を北極海に展開し、常時警戒活動を行っている。北極圏での資源開発をめぐる各国の権益争いが激化し、軍事衝突に発展しないようにしなければならない。

経済活動や安全保障ばかりでなく、北極圏の環境保全も極めて重要な課題だ。日本は基本政策で示している通り、温暖化や各国の経済活動が北極圏の生態系などに与える影響を解明し、科学的見地に基づく環境保護のためのルール作りをリードしてほしい。

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