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貯蓄より投資

トマ ピケティの「21世紀の資本」では資本による収益が労働による収益を上回るという点がフォーカスされています。別にびっくりする内容ではなく、当たり前の内容ですが一応、それを経済学的に論理性をもってまとめたという点が評価されているのでしょう。

最近、私のカナダの会社での資金運用に頭を悩ましています。大手銀行証券部を通じた投資はほとんどが安全度抜群の国債などを組み合わせた商品です。当然ながら利回りは1%に達しない状態ですが、クレームをすれば「当社はジャンクは推奨していないのでそちらをお求めの際は別会社のネット証券を通じて好きな銘柄をお買いください」と返されます。会社の資金運用ですからリスクは取りたくないものの年間の運用目標はあります。ところがこの2年ぐらいで半分以下に下がった投資利回りにもはや耐えられず、総額の10%程度を新たにリスク商品にシフトしています。

当社は他社の不動産事業などにも融資しているのですが、リスクのある土地取得時の融資はガチガチの担保を確保したうえで大体8-10%程度のリターンを要求します。かつてはもう少し取れたのですが、今、これ以上求めると投資家からもっと安いオファーが入ってしまいます。事実、一度10%で貸していた不動産開発事業資金が他の投資家に「乗っ取られ」、早期返済となり、残念な結果となりました。いわゆるリスクに対して投資すれば高いリターンを求めるのは当然なのですが、低金利下でそれすらもなかなか競争激化ともいえましょう。正直、今、一番まともなリターンはアメリカのREITへの投資で、ある銘柄は配当は12%にもなります。つまりこのペースが維持されれば9年足らずで投資額元本が全額回収できるという旨みがあります。

貯蓄より投資というのはお金にお金を稼がせることであります。汗水たらして働いている間も寝ている間も旅行している間も稼いでくれるのが投資であります。正に24時間お金に働いてもらいます。人間が8時間しか働かないとすれば投資はその3倍の時間があるわけですからこの点からしても投資が労働より上回るということはお分かり頂けるでしょう。

さて、多くの方は「投資なぞ、とても、とても」とおっしゃると思います。だから銀行にお預けになり、預金が1000万円まで保証されている安全手段を選んでいます。ところがお金を預かった銀行は融資なり国債投資なり人のお金を使って投融資に回っています。それは正にリスクマネーであり、預金者に代わって銀行がプロとしてそれを運用しているわけです。そしてそこで銀行は巨額の利益を生み出しているのです。

これを考えると皆様の預金を株式やプロが運用する投資信託やREIT(不動産投資信託)などに回せば当然ながら可能性は開けてきます。ところが多くの庶民の方は「お金が無くなるのでは」「何を買ったらよいかわからない」「下がったらどうするの」といった不安要因が先に来てしまいます。手っ取り早いのは高い配当金や株主優待がある銘柄で将来性のあるもので買うタイミングさえ間違えなければさほど深い傷を負うリスクは少ないかもしれません。正に投資をすることでピケティの論理を自分で実証することになります。

但し、株式は右上がり一直線、あるいは右下がりで果てしなく下がるということはなく、必ず、息をします。つまり、相対的に底値圏にあるものを選ぶ、これがコツだと思います。

私は自分の得意分野ということでこの夏からかなりの金関連銘柄への投資を行っています。2-3年ぐらいのうちに大幅な上昇があると見込んだのですが、これはあくまでも個人の判断。よってこれを真似されると困るのですが、要は長期間にわたり特定の分野、産業を見続けそのサイクルを掴むということだろうと思います。投資もタイミングが全てです。そして絶対的自信があれば目先の多少の上げ下げは全く気にならなくなります。

日本は庶民の財産をお上が守ってくれるという発想があると思います。お隣の中国、台湾、香港は明日はどうなるかわからない、自分の身は自分で守るという明白な姿勢を持っています。また、投資をすれば世の中が違った目で見えてきます。

そういえば日本に来てメガバンクの前を通るたびにどの銀行もショーウィンドウの使い方がへたくそだと思います。まるで魅力がなく、銀行のセンスを疑ってしまいます。一等地の前にありながら何も訴えたいことはないのでしょうか?そういう意味では銀行はショーウィンドウへの投資をしてみたらよろしいかと思います。

では、今日はこのあたりで。

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