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感謝の気持ちを、おくりたい。 参加者5,000人を超える金沢発の家を「おくる」プロジェクト(後編)

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石川県金沢市から、お世話になった建物に感謝を込めてものを大切にする心を伝える取組みがはじまっています。今回は、「おくりいえプロジェクト」を続けているやまだのりこさんに話をうかがいました。

前編はこちら

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銭湯、洋服屋、染物屋、建具屋、化粧品店…物が引き継がれていく楽しさ

人の暮らしていた家には、物があります。その人の仕事や暮らしをかたちづくっていた物から生まれるお話です。

やまだ
来る人の好みの物も違って、着物が好きな方、レトロな食器が好きな方がいたり。でも、そのお家によって何があるかは違います。一度、洋服屋さんでやったときは、レトロな服がいっぱいあるから、すごくお洒落な方がいっぱいきました。「絶対誰も着られないな」と思っていた奇抜な服も、この人なら似合うなって方が上手に持って行くんです。「もう素晴らしい! 行き先ってあるもんだな」と思いました。だから、お家によっていらっしゃる方が全然違うんです。

富 井
僕も空き家の片付けをやることもあるので「行き先がある」という言葉がすごくわかります。今のお話のように直接その人が、というわけではないのですが、やっていて、「これは誰かがいるかな」ってその誰かが頭に浮かんできます。

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おくられる物と受け取る人

やまだ
そうそうそう!おくりいえをやっていても、常連さんたちがいるから、着物が出てきたら「これは〇〇ちゃん」とか。その人はその回にいなかったりするんですけど、「これは□□くん、これは△△さん」とかちゃんと行き先が区別されていて、すごいなと思います。

私はほんとに物がいらない人間なのですが、「今日はのりちゃんにもあるの。これは持ってたらいいよ!」と、建築の古めの本をおくられることもありました。「誰々さん向け」という、互いの好みが参加しているうちにわかってくる、そこに参加している人じゃないとわからない楽しさもあります。

これは町家に限らずどこの空き家でも、やったらこんなおもしろさはあると思います。

捨てられるはずであった物が誰かの手に届き、再び使われることも魅力です。行き先があるということは、その人にとっても、元の持ち主にとっても、その場に居合わせた者にとっても、有難く嬉しい瞬間になっているようです。これまでに住居としての町家、銭湯、洋服屋、染物屋、建具屋、化粧品店などで開催されたおくりいえ。物を大切にするからこそ、その物を求めて足を運ぶ人の存在も大切な要素になっています。

また、重ねることで、おくりいえをする人々は、家の掃除、物に対する興味関心を通して互いを知ることとなります。その場にいなくても、物を見ると浮かぶ誰かがいる、そんな楽しみも生まれていきます。

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