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共産党議席倍増で政治的地殻変動を予感させた宮城県議選

 地方でも、政治的な地殻変動が起きているのではないか。そう、予感させるような選挙結果でした。
 注目の宮城県議選で、共産党が現有4から8へと議席を倍増させたからです。宮城県では8月の仙台市議選でも共産党が5選挙区中3選挙区でトップ当選し、得票率を3ポイント余り伸ばしましたが、その勢いはさらに増しているようです。

 自民党は、石巻・牡鹿選挙区や加美選挙区で現職が落選しました。選挙前から4議席減らして27議席となって無所属の推薦候補2人を加えても過半数の30議席には届きませんでした。
 民主党は選挙前から2議席減らして5議席です。公明党は、選挙前と同じ4議席で、維新の党は選挙前から1議席減らして1議席、社民党は選挙前から3議席減らして1議席、日本を元気にする会は議席を獲得できませんでした。
 他方、共産党は仙台市内の5選挙区全てに候補をたてるなど9人を擁立し、市内5選挙区すべてで当選しました。これまで議席のなかった、米どころとされている大崎選挙区でも新人が当選しています。

 政党で議席を増やしたのは共産党だけです。自民・民主・維新・社民の各党は議席を減らしました。
 今日の日本政治における民意のあり方が、この結果に象徴されているように見えます。最も民意に沿った政策を掲げ、主張を行っている政党が支持されたということにほかなりません。
 政策課題で言えば、安保法制とTPP(環太平洋経済連携協定)の二つが大きな争点となったのではないでしょうか。前者は仙台市議選での共産党躍進の追い風となり、今回の選挙直前に基本合意された後者は、さらにその追い風を強める結果になったように見えます。

 同様の風は、他の地方でも吹いているのではないでしょうか。それは同じような政治的地殻変動を引き起こす可能性を秘めています。
 その風を受けて大きく前進するための帆を張らなければなりません。政治的な地殻変動を政治勢力の分布の変化に結びつける必要があります。
 そのために何ができるかが、とりわけ野党には問われることになるでしょう。対応を間違えれば民意によって見放されてしまうのだということを、今回の選挙で議席を減らした政党は学ばなければなりません。

 これからの地方選挙でも同様の風を吹かせ、来年の参院選まで持続させることが課題です。「アベ政治」の暴走をストップさせるという明確な方向を示すことでしか、その風を受けて前進することはできないでしょう。
 野党は手を結んで大きな帆を張ってもらいたいものです。そうしなければ、せっかくの風もただ頭の上を通り過ぎてしまうでしょうから……。

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