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注目すべき東芝・責任調査委員会の役員等責任判定報告

今年9月12日の毎日新聞朝刊に、大手企業123社経営トップに聞いた企業統治に関するアンケートの結果が掲載されていました。そこでは回答企業の約半数(46%)の経営トップが「東芝事件は他山の石としたい」と回答され、「東芝事件は東芝固有の特殊事情によるもの」(12%)といった回答を大きく上回るものでした。東芝事件の第三者委員会は東芝トップの意図的な関与を認めていましたが、上記毎日新聞のアンケート結果からみると、ややシンパシーを感じておられる経営者の方も多かったのではないでしょうか。

さて、東芝事件の旧経営陣(現経営陣の一部も含む?)の法的責任の判定を目的とした責任調査委員会の報告書が近々出る模様で、東芝の現経営陣はこの報告書の内容を尊重したうえで、同社が旧経営陣に対して損害賠償請求訴訟を提起する方針であることが報じられています(たとえば読売新聞ニュースはこちらです)。以前当ブログでもご紹介したとおり、株主から東芝社に対して提訴請求が届いておりますので、この請求に対する会社側の対応は11月上旬までには決定しなければなりません。

会社側が誰に対して責任を追及し、誰に対しては訴訟を提起しない、と判断した理由はどこにあるのか、また責任を追及するとしても、当該役員の違法行為と因果関係が認められる損害は何なのか、また損害額をどうしてそのように考えたのか、ということを、東芝社としてはぜひとも対外的に説明していただきたいところです。また、監査法人や監査委員に対する損害賠償請求については今後どうする方針なのか、その点についても説明がなされる必要があると思います(株主弁護団は損害金は10億円、と主張しておられますが、これがそのまま援用されることはないと思います)。

徹底した責任追及は、社会的にみれば東芝社の自浄能力を示すものとして歓迎されるかもしれませんが、一方において「他山の石」をみる他の上場企業からすると、責任や損害に関する認定根拠次第では経営トップの行動に萎縮的効果を及ぼす可能性もあります。また、そもそも課徴金等は役員の行動に起因するとしても、これは会社に課されるものであるので役員への責任追及の対象となる損害には該当しないといった有力な意見もあります。賠償請求で勝訴したとしても、弁護士費用のほうが高くついて、回収も十分になされないことが明らかでも提訴すべきか、株主代表訴訟を継続させることと、会社による賠償請求訴訟を継続させることと、いずれのほうが会社の社会的信用を毀損するか、という判断要素もあるかもしれません。いずれにしても、他社経営者も注目するところであり、会社側の提訴判断とともに、この責任調査委員会報告書についても全文の開示がなされることを強く希望いたします。

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