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雇用増加産業と雇用減少産業

キリのいい2010年12月の米国雇用者数統計速報が出たので、1990年12月からの20年間の増減数を出してみました。雇用者増減数をグラフにしてみると、20年間の産業別雇用者数の変化の傾向はきわめてはっきり現れてきます。
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米国産業別雇用者数増減グラフExcelファイルダウンロード


雇用増加産業と雇用減少産業がこれだけはっきり分かれてくると、どうしてももう少し詳しく観てみたくなります。そこで上のグラフのデータを雇用者増加数が大きい順に並べてみたのが以下の表です。

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1990年12月から2010年12月までの20年間で米国の非農業雇用者数(季節調整済み)は2,159万人・20%増加しました。増加数の多い産業順に並べた上の表の産業の雇用者数増加は合計で2,150万人でほぼ全体の増加数に匹敵し、その増加率は実に47%にもなっています。

飲食店従業員が301万人・46%も増えていて、それが群を抜いて雇用拡大を支えていることがきわめて印象的です。これは経済社会変化の普遍的な方向といえるのでしょうか?

2位以下は、教育・地方公務員・看護介護・病院が続き、派遣・SEがきた後で、また診療所・在宅看護と医療介護産業が続きます。その次に会員団体組織(Membership associations and organizations)管理と技術的なコンサルティングサービス(Management and technical consulting services)とういうのがきています。

会員団体組織というのは非営利団体組織すなわちNPOと考えられ、いわゆる「第三の道」の方向がここに反映してきているのではないかと思われます。これも経済社会変化の普遍的な方向といえるのでしょうか?

逆に、雇用者減少数が大きい順に並べ、雇用が減少した全ての産業を掲げてみたものが以下の表です。
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20年間で雇用が減少した産業の雇用者減少数は合計で△637万人で、これらの産業の雇用者数は△22%も減少しました。雇用者減少数の上位は全て製造業が占めており、とくにアパレル(△81%)織物工場(△74%)皮革製品(△76%)などの衣料製造業が壊滅的になっていることが分かります。また、製造業以外では、郵便を含む連邦政府・出版・通信・航空輸送・列車輸送・ガソリンスタンド・住宅建設なども雇用者数純減産業に入っています。

米国はずっと以前から製造業雇用の海外流出が続いていて、一部の製造業の雇用は事実上消滅に近づいています。その代わりにどういう産業で雇用が増えていて、どういう産業の雇用は増えていないのかを観ておくことは、同じような道をたどりつつある日本の経済社会の将来を予測する上でも非常に有用だと思います。

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