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【連載】公文書管理法5年見直しにむけて 第2回 文書作成義務

公文書管理法が附則に決められた5年見直しの年度に入っている。
そこで、この問題について考えを述べておきたい。

第1回は前提となる話をしたので、ここからは具体論に入る。
まずは公文書管理法施行後、注目され続けた文書の作成義務問題。

公文書管理法第4条では、次のように文書の作成義務が課されている。

第四条  行政機関の職員は、第一条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。
 一  法令の制定又は改廃及びその経緯
 二  前号に定めるもののほか、閣議、関係行政機関の長で構成される会議又は省議(これらに準ずるものを含む。)の決定又は了解及びその経緯
 三  複数の行政機関による申合せ又は他の行政機関若しくは地方公共団体に対して示す基準の設定及びその経緯
 四  個人又は法人の権利義務の得喪及びその経緯
 五  職員の人事に関する事項


具体的な文書作成の注意が、内閣総理大臣決定として出された「行政文書の管理に関するガイドライン」に記載されている(第3 作成の部分)。
これに基づいて、各行政機関の文書管理ルールが定められており、事実上ここに書かれていることを職員は守らなければならない。

ガイドラインの説明は、細かい話なのでここではしないが、まず気になるのは、このガイドラインが果たして守られているのかどうかだ。
「外部から事後的に検証できる」ことが法律の主旨である以上、検証できるように文書は作成されなければならない。
なので、文書の作成状況について、実態調査をきちんと行って欲しいところだ。

現場からの声を踏まえ、ルールが形骸化していないか、形骸化しているのであればどのように改善するかを考える必要がある。
この点は外部の人間ではなかなかわからないところがあるので、是非とも行政側がきちんと検証をして欲しい。

その上で、私が求める改正案は2つ。
1.閣僚など行政機関の長が主催する会議(審議会、懇談会など)の議事録の作成義務の明記
2.「意思決定」に関わる文書の作成の注意事項を更に詳細にする


1については、民主党が、2013年に出した公文書管理法の改正案の第4条第2項に、次の文章を入れることを提案していた。

2 前項第二号に規定するもののほか、閣議及び関係行政機関の長で構成される会議(これに準ずるものを含む。)の議事については、議事録を作成しなければならない

これが法律に組み込まれれば、審議会の議事録の有無をめぐる不毛な論争を止めることができるだろう。
この主張をすると、「逐語の議事録を残すと、自由闊達な議論ができなくなるから、発言者がわからないように議事概要にする」という反論が必ず政府関係からは出てくる。
しかし、すぐには公開できないとしても、いずれ公開されて検証するためには、逐語の議事録が必要なのは言うまでもない。

議事録が残るから意見が言えないという「専門家」は審議会の委員になるべきでない。
専門家として責任を持って堂々と発言すれば良いだけの話である。
「記録を残す」ことと「公開する」ことは別に考えれば良いのだ。

ただ、法改正が難しい状況なので、その場合はガイドラインの「第3 作成」の所にある、「審議会等や懇談会等」の「議事の記録」を作成するという部分を「議事録」を作成するに改正することでも構わない。
議事概要で済ませられるように、抜け道として「議事の記録」としてある部分を塞げばよい。それだけでも効果があるだろう。

※この問題は過去にブログを書いたことがある。

「議事の記録」と「議事録」は同じではない
http://h-sebata.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03


2については、「意思決定に関する文書作成」という公文書管理法の主旨を、決裁文書だけ残せば良いとか、他省庁に意見を聞かれた場合は「意志決定者ではない」から作らなくてよい、と考えている人が未だに後を絶たないことへの対応が必要ということだ。

「外部から事後的に検証できる」ために、必要な文書は職員の役職問わず作る必要があることや、公式非公式の会議を問わないことも具体的に書き込む必要がある。

すでにそのような主旨については書かれている部分もあるのだが、「作る必要があるとは思わなかった」という言い訳の可能性をできる限り潰しておくために、より明確な記述をすることが重要である。
もちろん、書けば書くほどまた抜け道ができる可能性はあるが、その都度抜け道を塞げばよいだけの話である。

「作成義務」については、ガイドラインの見直しを重点的に行うべきだと思う。
特定秘密関連については後でまとめて論じます。

次回は国立公文書館等の特定歴史公文書問題。

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