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支離滅裂なことを言う黒田総裁

 本日、日銀支店長会議が開催され、そこで黒田総裁が挨拶を行ったというのですが、どんなことを言ったかご存知でしょうか。

 日銀のサイトには挨拶の要旨が掲載されています。

(1)わが国の景気は、輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けている。先行きについても、緩やかな回復を続けていくとみられる。

(2)物価面をみると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。先行きについても、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられる。

(3)わが国の金融システムは、安定性を維持している。そうしたもとで、金融環境は、緩和した状態にある。

(4)「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う。

 私、このうちの「量的・質的金融緩和」が所期の効果を発揮しているという発言は、全く外れているとしか思えません。

 だって、そうでしょう? 

 所期の効果というのは、期待どおりの効果ということですが、実際にはインフレ率は0%程度でしかない訳ですから、全然効果など出ていないのです。

 そして、そのようにインフレ率は0%程度でしかないと認めつつ黒田総裁は、今月7日の記者会見で、「今はデフレなのか」という質問に対して、「長く続いた人々のデフレマインドはこの2年半くらいでかなり変わってきた。いろいろなデータから見てデフレ状況ではなくなったと思う」とも言っているのです。

 黒田総裁の頭のなかって、どうなっているのか、と言いたい。インフレ率が0%で何がデフレ脱却だ、と。

 まあ、言いたいことは少しは分かりますよ。超円高から円安に大きく変わり、株価が大きく上昇するとともに企業業績は回復したではないか、と。ベースアップも再開したではないか、と。

 但し、インフレ率が再びゼロ%近辺で推移しているのは紛れもない事実。

 もし、インフレ率自体よりも、賃金が上がることなどの方が重要であると思っていたのであれば、最初からインフレ率の目標値など設定しなければよかったのです。

 それに、デフレの定義をはっきりさせておくべきであった、と。

 もちろん、黒田総裁が最近、生鮮食品とエネルギーを除いた物価指数でインフレ率を判断すれば基調は回復していると盛んに言っていることは承知しています。
 
 しかし、仮に生鮮食品とエネルギーを除いた物価指数で判断したところで、1.1%(8月)にしか達していないのです。目標は2%ですから、55%の達成率にしかなっていません。

 それに、そもそも日銀は、生鮮食品を除いた総合で判断することに決めていた訳ですから、それを今更エネルギーを除いて考えてくれだなんて滅茶苦茶な話です。

 私は、率直に言って黒田総裁が何を言いたいのか理解できません。

 多分、本人も、俺は何を言っているのだろう、と思っているかもしれませんね。

 しかし、今更、インフレターゲットが失敗したとはとても言えない、と。言うと、自分が率いる日銀が間違っていたというだけではなく、安倍総理の顔にも泥を塗ってしまう、と。

 だから、安倍総理と口裏を合わせ、デフレは脱却したも同然だ、みたいなことを言い、そして、総理はデフレから人々の関心を逸らすために一億総活躍社会なんてことを言い出した可能性があるのです。

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