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ハラスメントと指導 そこに愛があるか ラグビーワールドカップを例に

金沢での日本血液学会に参加しています。少し風邪ぎみです。(ーー;)

すこしハラスメント、イジメと指導、教育の違いについて自分が思っていることを書いてみたいと思います。

自衛隊においてさまざまな訓練をする際、どこまでの負荷をかけるのか、かけていいのかを決定する会議に医官として参加していたことがあります。

その際、まだ私に訓練のイメージがそこまでついていなかったため、
『この想定では死人が出る可能性があります』
と、上司に変更を進言した訓練がありました。

銃を含む20キロの装備をつけて5キロの山道を7人のチームで走る武装障害走。原則離脱なしという条件での、部隊対抗方式の訓練でした。

その際上司は、
『自衛隊としてこの訓練に耐えれないようなら、いざという時になって自分の体を守れない。だから医官はこの訓練で隊員の安全を守るために最大の準備をしてくれ』

そこには隊員を鍛えることによって、隊員自身を守るという愛がありました。そして、はたから見たら部隊イジメとしか見えない突然の訓練は、今ではその部隊の伝統として10年以上続いています。隊員の練度はあがり続け、大きな問題は生じていないようです。(もちろん事前にドクターストップをかけることを許していただきましたし、最悪の状況を想定して薬なども準備しました。今はすこし装備が軽くなっていますが、壁や匍匐前進などの障害が増えているようです。)

上司が厳しいことを言った際、部下は上司の意図がわからなければそれをパワハラ、イジメと感じます。ただ今回のラグビーチームのように一つの共通の目標があれば厳しいトレーニングに耐え結果を残せます。監督エディーは優しくしたら負けと感じていたそうですし、チームはその監督を信じて結果を残しました。

基本パワハラ、イジメかどうかは当事者が決定するもので、はたから本来口出すものではありません。ただ現在外からの介入をおこわなければブラック企業や、医師の当直制度のように善意だけで運用されて当事者が疲弊してしまうことが多くなりすぎています。非正規雇用など人を大事にしなくなった時からでしょうか。

以前ある事故が起きた時、直属ではない別の上司が言った言葉です。
『自分の部下が起こしたことは、上司の私にも責任がないわけではないが、医師の仕事は基本医師個人の責任である』

まあこの上司のためにからだや心に負荷をかけるきつい仕事はやりたくないですよね。結局こういう気持ちが出てしまうと同じ指導でもパワハラとなってしまいます。

部下に厳しくしても、そこに部下を思う愛があるかとか、その愛を部下が感じとることができるかといったところがパワハラ、イジメと指導、教育の違いでしょうか。

そしてこの共通の意識でまとまった組織は、ビジネスとしてうわべだけまとまっている組織よりはるかに優れています。

奇跡は努力なしでは生まれません。厳しい指導は必要で、だから感動が生まれます。はたから口出すためにはしっかり分析することが必要です。

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