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- 2015年10月15日 13:16
ドローンで農薬散布とか大阪にリニアって時代逆行じゃないの
新しい技術に憧れるのはもしかすると好奇心のなせる技なのかもしれませんが、あまりに素直に、それですばらしい未来が開けそうだと信じこんでしまうと落とし穴が待ち構えていることもあります。ドローンとか、リニアとか、4Kとか。ほんとうに役立つことができる用途は結構限られているのじゃないでしょうか。
そのひとつの例ですが、幕張メッセの「第2回国際次世代農業EXPO」でドローンによる自動飛行型農薬散布マルチコプターが登場し、レンタルで比較的小規模な農家に貸し出すビジネスをはじめていることが紹介されていました。
農薬散布もドローンの時代。GPSと画像認識による自動操縦で一度に8000㎡散布可能:次世代農業EXPO - Engadget Japanese
この記事でも触れられていますが、すでに大規模農家では無人ヘリで農薬散布をやっています。たまたま田んぼの横の田舎道を車で走っていたら、無人ヘリで農薬を散布する現場に遭遇したことがあります。ぶつかってこないか、農薬をまちがってふりかけられないかと、恐怖を感じました。それに、その地域での農作物は絶対買いたくないなと思ってしまいました。
お米に限らず、今、丹波篠山では黒豆枝豆が旬で、道路脇に農家がたくさんお店を出して直売をしていますが、多くが無農薬とか低農薬をうたっているような時代です。
GPS付きで、タブレットでコントロールするドローンもいいけれど、農薬を空中から散布するって、あまりいい感じがしません。
小中規模の農家なら、省力化でコストダウンをはかっても限界があり、むしろ付加価値をつける農業に向かうという流れが主流ではないでしょうか。なにか時代に逆行するアイデアじゃないかと感じてしまいます。もし、隣の田畑が無農薬農法でやっていたら、空中からの散布は迷惑でしょうに。
大阪にリニア早期延伸なんて維新も自民もポピュリズムで言っているけれど、それで大阪の産業や経済が復活できると本気で思っているのでしょうか。工事で一時の仕事は生まれるけれど、リニアでは大阪経済の地盤沈下は防げません。
地盤沈下が止まらない大阪で、明るい話題、成長産業の筆頭といえば海外からの観光客の増加です。たとえば中国からの観光客は、成田は17万人、羽田が5万人の利用ですが、あの狭い関空はなんともうすこしでその合計に匹敵する20万人が利用しているのです。地理的に大阪が近く、また京都、奈良という魅力的な観光地の玄関口になっているからです。
大阪が再び成長を取り戻すためには、世界、とくにアジアのなかで存在感のある都市に組み替え、観光から、さらに訪問・滞在目的を広げなければなりません。世界から人が集まる都市の魅力づくりです。国内を結ぶだけのリニアに何の期待ができるのか、よくわかりません。速いといっても飛行機で代替できます。ダブル選挙があるというのに、その政策焦点がぼけてしまっているのが残念なところです。
新しい技術も、あるいは産業政策も、それでどんな付加価値が生まれ経済効果がでてくるのか、それによってどんな新しい市場が生まれてくるのかを考えなければ、ただの博覧会ネタに過ぎません。
そのひとつの例ですが、幕張メッセの「第2回国際次世代農業EXPO」でドローンによる自動飛行型農薬散布マルチコプターが登場し、レンタルで比較的小規模な農家に貸し出すビジネスをはじめていることが紹介されていました。
農薬散布もドローンの時代。GPSと画像認識による自動操縦で一度に8000㎡散布可能:次世代農業EXPO - Engadget Japanese
この記事でも触れられていますが、すでに大規模農家では無人ヘリで農薬散布をやっています。たまたま田んぼの横の田舎道を車で走っていたら、無人ヘリで農薬を散布する現場に遭遇したことがあります。ぶつかってこないか、農薬をまちがってふりかけられないかと、恐怖を感じました。それに、その地域での農作物は絶対買いたくないなと思ってしまいました。
お米に限らず、今、丹波篠山では黒豆枝豆が旬で、道路脇に農家がたくさんお店を出して直売をしていますが、多くが無農薬とか低農薬をうたっているような時代です。
GPS付きで、タブレットでコントロールするドローンもいいけれど、農薬を空中から散布するって、あまりいい感じがしません。
小中規模の農家なら、省力化でコストダウンをはかっても限界があり、むしろ付加価値をつける農業に向かうという流れが主流ではないでしょうか。なにか時代に逆行するアイデアじゃないかと感じてしまいます。もし、隣の田畑が無農薬農法でやっていたら、空中からの散布は迷惑でしょうに。
大阪にリニア早期延伸なんて維新も自民もポピュリズムで言っているけれど、それで大阪の産業や経済が復活できると本気で思っているのでしょうか。工事で一時の仕事は生まれるけれど、リニアでは大阪経済の地盤沈下は防げません。
地盤沈下が止まらない大阪で、明るい話題、成長産業の筆頭といえば海外からの観光客の増加です。たとえば中国からの観光客は、成田は17万人、羽田が5万人の利用ですが、あの狭い関空はなんともうすこしでその合計に匹敵する20万人が利用しているのです。地理的に大阪が近く、また京都、奈良という魅力的な観光地の玄関口になっているからです。
大阪が再び成長を取り戻すためには、世界、とくにアジアのなかで存在感のある都市に組み替え、観光から、さらに訪問・滞在目的を広げなければなりません。世界から人が集まる都市の魅力づくりです。国内を結ぶだけのリニアに何の期待ができるのか、よくわかりません。速いといっても飛行機で代替できます。ダブル選挙があるというのに、その政策焦点がぼけてしまっているのが残念なところです。
新しい技術も、あるいは産業政策も、それでどんな付加価値が生まれ経済効果がでてくるのか、それによってどんな新しい市場が生まれてくるのかを考えなければ、ただの博覧会ネタに過ぎません。
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