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長く働いていれば悪さもしないという幻想

マイナンバー導入の業務発注を巡る収賄事件。

逮捕された厚生労働省の中安室長補佐は、電子カルテの普及など、医療のIT化政策に長年携わってきた人物とのこと。

厚労省の中で同容疑者は「長年の経験から医療IT分野などの知識が抜きんでていた」、「真剣に仕事に取り組んでいた」と評判が悪くなかったようです。

しかし、驚いたのは「昨年、週の半分程度も職場に出勤していなかった」、「何をしていたか把握できていない」という上司らの記者会見等でのコメント。

私は勤務体系は職種によって自由で良いと思っていますが、週の半分も出勤せずに許されるのは営業成績などの明確な「利益目標」や「数値目標」を設定できる場合だと思います。総務や事務職、そして調整役などの数字で表せない仕事を担当している場合、その管理は厳しくしないといけません。

しかも民間企業であれば、成績が上がらなければクビや減給をすれば良いのですが(自由の代償は責任なのです)、お役人の場合はクビになることは殆どありません。適当な仕事をしていても、国民の税金から高い給与を払い続けることになります。だったら尚更、管理を厳しくする必要があります。

数値目標もノルマも無い職員を自由にさせるなど、ありえません。

また、どうしても日本人は「長く働く=(イコール)正しい」という幻想に陥りやすいと思います。それは社会全体が一か所に留まってやり続けることを美徳と考えているからです。後輩がその人のやり方が間違っているかなーと感じても「昔からこうやっている(慣例が正しい)」という一言で片づけられてしまいます。

この言葉の威力は、社長が発した場合だけでなく、一般職のお局(つぼね)さんや古株などの場合でも同等です。

今回の問題は、前例主義の大きな弊害としてオリンパスや東芝事件に通ずるものもあるのです。

一か所で長く勤めれば勤めるほど不正を働きやすくなるという認識をもつことはガバナンスの基本です。

やはりベストなのは面倒くさい仕事を一人に押し付けず、リボルビングドア形式で一定期間ごとに移動をさせること。どうしても長期間にわたって同じ仕事をやり続けてもらう必要があれば、定期的に(抜き打ちも含め)第三者委員会のチェックを入れることがマストです。

相次ぐ不祥事にストップがかけられない厚労省。

繰り返しですが、国民の税金から給与が払われていることに余りにも無頓着、そして何度問題を起こしてもガバナンスが強化される傾向が見受けられない。

今回の事件でこの二つを強く認識させられました。

このような組織が大切な年金や医療保険、そしてマイナンバーを管理する立場にあるのですから、国民の不信と不安が収まるわけがありません。

この件も含めて、早急に臨時国会を開き、改善策を話し合うべきです。

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