記事

「ベンチャーなんだからモチベーションは高くて当たり前だろ?」は間違い──「働きがいのある会社」1位の社員を盛り上げる方法

1/2
画像を見る

左よりサイボウズ代表取締役社長 青野慶久、株式会社VOYAGE GROUP 代表取締役社長兼CEO 宇佐美進典氏

Great Place to Work Institute Japanが毎年発表している「働きがいのある会社」ランキング。従業員と会社を対象に「働きがいのある会社」のアンケート調査を行い、評価・分析した結果をランク付けするものです。この「働きがいのある会社」ランキングの従業員100〜999人の部で、2015年、1位に輝いたのが、「ECナビ」をはじめとするメディア関連事業やアドテクノロジー関連事業などを幅広く手掛けるVOYAGE GROUP。サイボウズも3位に入りました。

実はVOYAGE GROUPの宇佐美進典社長と、サイボウズの青野慶久社長は、以前、一緒に合弁会社を設立したこともある旧知の仲。青野社長は宇佐美社長から人事に関する面で強く影響を受けたそうです。社員が働きがいをもってハッピーに働ける会社を築き上げるには何が必要なのか? 2人がじっくり語り合います。

楽しく働く様子に価値観が大きく変えられた

画像を見る

「働きがいのある会社」ランキング1位、おめでとうございます。この調査には毎年参加されているんですか?

画像を見る

ありがとうございます。ええ、参加は今年で3回目になります。初年度が4位、昨年が5位、そして今年が1位でした。

画像を見る

すごいですねえ。サイボウズは2回目で、初年度が12位、今年が3位でした。 僕はVOYAGE GROUPさんが1位をとられて、すごくうれしかったんです。なぜかというと、サイボウズが働き方に関するさまざまな制度を導入する上で、宇佐美さんの影響を受けた面が大きかったからです。

リンク先を見る

画像を見る

そうなんですか?

画像を見る

宇佐美さんと初めてお目にかかったのは2005年ですよね。ちょうど僕がサイボウズの社長に就任した年で。それまで僕は、会社全体のマネジメントなんて全然やっていなかったんです。 cybozu.netという会社を一緒にやらせてもらうことになり、宇佐美さんと毎週のようにお会いする機会があって。その時、僕は、経営者としての宇佐美さんが、何を考え、どんな意思決定をするのかを、じっと見ていたんです。そんな中で、こういうふうに考えなくちゃいけないんだな、と感銘を受けることがたくさんありました。

画像を見る

どんなことですか?

画像を見る

例えばモチベーションについてです。それまでの僕は、「ITベンチャーに入ったんだからモチベーションなんて高くて当たり前だろ? なんでそれを大げさに言うんだ?」と思っていました。その点、宇佐美さんは会社を盛り上げるために運動会を開いたりしていて。

画像を見る

ははは。今もやっていますよ。

画像を見る

あと驚いたのは、一度辞めた人を再度採用する、という施策です。辞めた人が戻れる会社ってすごくエキサイティングだなと思って。今、サイボウズでも同様の制度※を導入しています。 とにかく社内がオープンなんですよね。みんなすごく楽しそうに働いていて。そういうのを見て、僕の中で大きな価値観の変化がありました。

育自分休暇制度 35歳以下で、転職や留学等、環境を変えて自分を成長させるために退職する人が対象。最長6年間は復帰が可能。

経営理念は魂をこめた言葉であるべきだ

画像を見る

光栄ですね。ただ、cybozu.netを一緒にやらせていただいていたころから、ウチの会社もずいぶん変わっていますよ。2009年から2010年にかけて、いろいろな変革を行ったので。

画像を見る

どんな変革をしたんですか?

画像を見る

今、ウチの経営理念には、創業時からの想いである「ソウル」と行動規範の「クリード」の2つがあるんですが、このセットができたのが2010年なんです。 以降は、人事制度、採用、その他あらゆる社内の仕組みを、このソウルとクリードに基いて作り直しました。クリードは従来からあったんですが、それ自体全部作り変えましたね。

リンク先を見る

画像を見る

どんな狙いがあったんですか?

画像を見る

それまでのクリードには、どこかで聞いたような言葉が入っていたんです。例えばリクルートの江副浩正さんが言った「自ら機会を作り出し、自らを変える」のようなものとか。確かにいい言葉なんだけど、ウチのオリジナルな言葉じゃないよな、と。日々の会話にも出てきやすいものなので、自分たちの言葉に変えていかなくてはいけないと考えたんです。「社員の誰かがあの時こう言っていたな」みたいな、リアルな体験に基づいていて、かつシンプルなものにしようと。

画像を見る

どのように作っていったんですか?

画像を見る

全社アンケートを行ったりして、参加したい人は全員できるようにしました。そこからキーワードを再度洗い出して。3ヶ月くらいかけて作りましたね。

画像を見る

「ソウル」の「360°スゴイ」も、インパクトがありますよね。

画像を見る

クリードを作った後、「ビジョンが欲しい」という声が社内から沸き上がってきたんです。ただし、われわれの場合、いろいろな事業をやっていることもあって、ある事業に近いビジョンを作るとほかの事業が入らない、といった感じになりがちで、すごく難しい。

画像を見る

なるほど。

画像を見る

でも、やはり欲しいということで。じゃあ作ろう、となったんですが、どうもボヤッとした言葉にしかならないんですよ。それだと言葉にパワーがない。 そこで結果として出てきたのが創業時の想いだったんです。もともと僕らは会社を「どの会社よりもスゴイことをやろう」という想いで始めていて、それはどういう事業をやっても変わることがない。なので、「360°スゴイ」という言葉にしました。

画像を見る

わかりやすいですよね。何をするにしても「それってスゴイの?」という会話ができる。

画像を見る

「ちっちゃくねえか?」みたいな(笑)

画像を見る

「360°じゃなくて23°くらいしかないんじゃない?」とか(笑)。ビジブルですね。

画像を見る

語りやすいですね。僕自身も、クルー(社員)も。

画像を見る

言葉をぼんやりさせなかったというのは発明ですね。

画像を見る

魂をこめた言葉であるべきだと思ったんです。魂をこめないと浸透しない。だからビジョンではなくソウルという自分たちのオリジナルの言葉にしました。経営本にあるように、ビジョンとミッションとバリューを全部つくるといった形から入らなくても、必要なものを必要な順番でやればいいと思うんです。

あわせて読みたい

「ビジネス」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    天皇陛下の政治利用疑惑。都議選前夜に、宮内庁長官の発言は軽率と言う他ない

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月25日 08:16

  2. 2

    <TBS「週刊さんまとマツコ」>悩みなき萬斎娘・野村彩也子アナに悩み相談させるのは残念

    メディアゴン

    06月25日 09:00

  3. 3

    金融資産1億円はもはや「富裕層」ではない

    内藤忍

    06月25日 11:24

  4. 4

    「天皇陛下が五輪に懸念」…異例の長官「拝察」発言に賛同相次ぐ

    女性自身

    06月25日 08:32

  5. 5

    反ワクチン派への否定に医師「長期的な副作用は不明であることを念頭に置くべき」

    中村ゆきつぐ

    06月25日 08:57

  6. 6

    NHK「たけしのその時カメラは回っていた」予定調和の気持ち悪さ

    メディアゴン

    06月25日 08:27

  7. 7

    安倍政権下でおかしくなった霞が関 自民党の良心は失われてしまったのか

    早川忠孝

    06月24日 08:39

  8. 8

    ワクチン予約サイトの「.com」運用に疑問 行政はトップレベルドメインで信頼性担保を

    赤木智弘

    06月25日 10:24

  9. 9

    【Amazon Go】、レジなしコンビニが次々に臨時休業!4店減らし22店も6店が休業の訳?

    後藤文俊

    06月25日 08:42

  10. 10

    NYT「中国製ワクチンには効果が無い」と指摘 接種国で感染状況が悪化

    ABEMA TIMES

    06月24日 15:08

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。