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子どもを産み育てるのは個人の選択

菅官房長官の発言「この結婚を機にママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれればいいなと思う。たくさん産んでください」は、大問題である。

子どもを産んで、育てることは、個人の選択である。

子どもを産みたい人も、産みたくない人も、どちらでもない人も、迷っているひとも、まだ考えられない人もいる。子どもが持つことができなかったり、困難だったり、人によって様々である。
だから、政府に、「たくさん産んでください」といわれる問題ではない。

女は、結婚して、子どもを産めという期待や強制を負担に思ったり、圧迫と感じたり、そういわれてもできません、今はできませんという女性たちは、たくさんいる。

また、LGBT、同性愛の人たちなどは、どう思うだろうか。
望むような形で、子どもを持てる社会にはなっていない。

かつて「女は子どもを産む機械」と発言をした厚生労働大臣がいた。一人ひとりの女性の生き方を決めるなと多くの女性たちが反発し、超党派の女性議員で、大臣に抗議をした。

今回の菅官房長官の発言は、まさに、女性の生き方を、子どもを産み、育てることに押し込めるものである。

そして、最大の問題は、「国家に貢献してくれれば」と言ったことである。

前述したが、今まで、女は子どもを産む機械なども発言はあった。しかし、「国家への貢献」ということはなかった。

国家への貢献。それは、社会保障のため、戦争法のためなのか。

日本国憲法は、24条が個人の尊厳を、13条が個人の尊重を規定する。一人ひとりが大事であり、全体主義のなかで、個人が抑圧、弾圧されたからこそ、個人の尊厳、個人の尊重が規定された。

にもかかわらず、国家への貢献、お国のために、国家主義が全面にでてきた。

子どもを産み、育てることは、極めて個人的なことであり、個人の喜びである。
国家への貢献と政治家がいうことは、子どもを、人間を国家のために使うということである。
国家への貢献発言に、強く抗議をする。

安倍総理は、新3本の矢で、出生率1.8をめざすと言い、一億総活躍社会と言った。
政府は、目標を掲げて、どうしようというのだろうか。

派遣法を改悪し、非正規雇用がさらに増える政策をとっている中で、人々が、子どもを産み、育てる環境は、どんどんなくなってきている。大学生の半分が奨学金をもらい、しかも貸与型ではない給付型の奨学金は、ゼロである。

保育園の待機蟻道の問題は、深刻である。

長時間労働も変わらないどころか、国会では、ホワイトカラー・エクゼンプション、一定の年収以上であれば、労働時間の規制をなくす法案が、継続審議となった。
どこに、子どもを産める環境があるだろうか。

政府が、子ども産んで、育てる環境を作っているとは思えない。労働法制を規制緩和し、雇用の劣化を招いておいて、「子どもを産んでくれ」は、ありえない。

「1億総活躍社会」とは何だろう。

民主党政権時の「すべての人に居場所と出番を」は、一人ひとりに着目している感じがあった。
しかし、「1億総活躍」は、上から目線で、「活躍」という一つの生き方である。

女性の活躍推進法の1億版。

国家に貢献という言葉と合わせると、国家のために、活躍してくれと言われているような気がする。
一人ひとりは、国家という上から見て、パーツにすぎなくなっている。

また、「1億総活躍」と言われて、「1億火の玉」を思い出したと私に語った年配者の方がいる。
「1億総」と言われて、総動員させられるのは、まっぴらである。

上から目線の国家主義を拒否しよう。

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