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北星学園・植村先生のその後の苦闘と危機

北星学園大学にとっては気の毒なこととは思うが、言論に対するリンチ行為に抗している植村隆先生(元朝日新聞記者)の非常勤講師契約が再び危機に瀕している。

元朝日記者の植村氏、雇用打ち切りも

記事の見出しはひどく悲観的で、現時点ではそれが最もポイントであろうが、そこに至るまでの経緯が詳しく記載され、見出しだけからは予想できないほどに読み応えのある記事に仕上がっている。

田村信一学長が7月末と9月中旬に2回、植村氏と会談し、「警備の負担が大きい。教職員の反対も強い」と学内情勢を述べ、このままでは雇用打ち切りの可能性があると伝えた。植村氏は「まず、私が捏造記者ではないことを学生、教職員に説明させてほしい」と述べ、雇用継続を望んだという。

これが見出しのポイントで、学内の反対というのもいくつかの発言例が掲載されているが、問題は警備の過剰負担と学内に警察がいることへの不満が溜まっているというところにあるようである。

これに対して植村氏の裁判も用いた汚名を注ぐ活動も今年の1月から始まり、それがさらなる脅迫行為を呼ぶ結果も伴いつつも、一定の成果にはつながっている。

植村氏の弁護団事務局長を務める神原元(はじめ)弁護士の神奈川の事務所に計500枚近いファクスが送りつけられた。冒頭は植村氏長女の制服姿の写真。「慰安婦は売春婦」などと書かれた文章とポルノ写真が延々と流れ、神奈川県警が偽計業務妨害の疑いで捜査

この嫌がらせのやり方は、植村氏を非難する層にいかにもありがちな、卑劣というか下品というか、まあともかくまともじゃないという印象を受けるのに十分である。

植村氏の指摘を受け、産経は8月4日、「『強制連行』『挺身隊』本紙も過去に使用」と報じた

これもまた注目に値する。何が注目に値するかというと、朝日の誤報自認には捏造新聞との非難が幅広く起こったのに対して、あの産経新聞が誤報自認したことについてはほとんど反応がないようにみえることである。もともと江沢民が死亡したとか村上春樹がノーベル賞受賞したとか、数々の誤報で有名な惨軽だけに、驚きはないということなのかもしれないが、結果的には釈然としないものを感じないでもない。

9月19日、札幌で開かれたマケルナ会1周年シンポジウム。米紙ニューヨーク・タイムズの1面で昨年12月、北星脅迫を報じたマーティン・ファクラー前東京支局長は、北星脅迫を振り返った。「戦前の(大阪朝日新聞の記事が発端になった言論弾圧の)白虹事件のように、歴史に残る事件です。安倍晋三首相が名指しで朝日新聞を批判し、他のメディアも萎縮する中、北星は大変勇気ある決断をした」

メディアが萎縮し、マスメディアを活動の場とする芸能人にもほとんどおおっぴらに圧力が掛けられている事実があちこちで明らかになり、学生たちがデモに参加しただけで就職が危なくなるよと言われ、しかもそれらを当然とするような風潮もある中で、シンボル的な存在になってしまった植村先生と北星学園大学にとっては気の毒だとは思うし外野の無責任な感想にすぎないが、圧力には屈しない姿を貫いてもらいたいものである。

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