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3Dプリンターで格安の筋電義手。日英つばぜり合い。

昨日(4日)の朝日新聞朝刊別刷り「Globe」の特集は「体+機械=」で、1、2面に、先天的に右手首から先がないという同紙の記者が、電子制御の義手(節電義手)を自作した、という興味深い話でした。

専門家によると最安値で150万円からという筋電義手ですが、記者は6万5千円で作ったそうです。というのも、3Dプリンターを活用して格安の筋電義手にチャレンジしているベンチャー企業イクシー(exiii)に頼み込んで部品一式を揃え、自分で組み立てたからです。

そのルポ記事はこれで、その最下部には動画もありますのでご覧ください。

で、これを見てすぐに思い浮かべたのが、英国の同種のベンチャー「Open Bionics」のことです。同じく、3Dプリンターを使って、格安の筋電義手に取り組んでいて、その完成度はなかなかのもので、人気上々です。



このOpen Bionicsとイクシーは、目標市販時期まで競っている、何から何まで似通っているライバルなのです。

筋電義手については単語としては知っていても、その中味はよく知りませんでした。なんとなく理解したのが、BBCNewsのこの記事でした。記事にはこうありました。「使用者の肌に接したセンサーを通して筋肉の動きを探知、それでグリップをコントロールする」などとありました。

そして、あの掃除機で有名になったダイソンの財団が世界20カ国で行っているJames Dyson Award 2015の英国の優勝者がOpen Bionicsに決まり、これは最終選考でも世界一になれるかも、という内容でした。

が、しかし、日本でもこの手の開発事例があったはず、と思って調べたら出てきたのがイクシーという会社。早速、そのホームページを覗いて見ると、Open Bionicsに負けず劣らずの完成度であることが分かりました。



なのに、発売時期に関する情報が見当たりません。取材についても、「現在開発に集中すべく取材はお断りしております」とあるので、電話も遠慮。メールで、発売時期と予定価格およびOpen Bionicsについての感想だけ問い合わせました。8月末のことです。

数日後の返信はこうでした。「弊社の義手はまだ開発中であり、1年後の普及開始を目指しています」 一方、先のBBCNewsの記事では、Open Bionics社の発売は2016年の第2四半期(4-6月)で、価格はフィッティング料込みで2,000ポンド(約36万円)とありました。

その時点では、イクシーの方に具体性が少々欠けている印象だったので、そのままにしていたのですが、昨日のGlobeの記事では、「製品を完成させるのは今年度中。価格は20万円を想定」と具体的になっていました。年度中に完成なら、発売は新年度早々の4月?なんだか一緒の時期かも。いよいよ、日英対決への趣。 面白い。

そこで、ちょっと調べてみましたら、この日英両社、似たところが本当に多いのです。まずはその中心メンバー。Open BionicsのJoe Gibbardさんは25歳、対するイクシーのCEO近藤玄大さんは28歳と若い。もちろん3Dプリンターを使うのも一緒。

当初の資金はともにクラウドファンディングで、英側はINDIEGOGOで2013年11月に目標3万9千ポンドに対し、1ヶ月で4万3593ポンドを集め、イクシーはその1年後、kibidangoで目標70万円に対し357万2500円を集めています。

また、その後の資金として、Bionicsはウォルト・ディズニーのTechstars Accelerator mentorship and investment programmeのメンバーに選ばれ、12万ドルを獲得して、仕上げに邁進中なら、イクシーには今年3月に、NPO法人Mission ARM Japanとともに受けたgoogle impact challengeからの2,500万円があります。また、あちこちのコンテストなどでいくつも表彰されているのも共通します。

双方とも「オープンソース」を掲げ、Bionicsは、だれでも料金なしでデザインを利用できるといい、イクシーはパーツや3Dデータなどを公開しています。法外に高い筋電義手を安くして、普及度を高めたいという熱い思いも一緒です。

さて、このように似た者同士のライバル、どちらが先に駆けつくか。発売が待たれます。期待して待っている人は世界中にいます。

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