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難民問題 「対岸の火事」では許されない

未曽有の人道危機が時代を覆っている。日本と日本人は何をすべきか。真剣に考え、議論し、果敢に行動に移す時であろう。「対岸の火事」を決め込むことは許されない。

長期化、泥沼化するシリア紛争を背景に、世界の難民が急増し続けている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、その数、6000万人。過去最悪で、シリアでは人口2200万人の半分以上が難民・避難民となっている。同時代を生きる人類の良心と知恵が問われていることを、まずはじめに強調しておきたい。

グテーレスUNHCR高等弁務官が指摘するように、深刻化する難民問題の解決には国際社会の結束と強力な政治的アプローチが欠かせない。

今そこで命の危機に瀕している一人の難民の救済からシリア紛争への対応、さらには難民流出に伴うテロ拡散の阻止や「支え合う世界」構築へのロードマップ(行程表)作りまで、世界の指導者は今こそ包括的な難民対策の確立に立ち上がってもらいたい。

幸いにと言うべきか不幸にもと言うべきか、トルコの海岸に漂流したシリア難民の幼児の、あの痛ましい遺体映像をきっかけに国際世論は大きな高まりを見せ、そのうねりに押される形で各国指導者も本腰を入れ始めている。

欧州では既に数十万人を迎え入れているドイツに続き、フランスやイギリスなどが相次ぎ難民受け入れの拡大を表明。アメリカなど欧州以外の国々も続いている。日本も安倍首相が先の国連総会演説で、シリアやイラクの難民対策として新たに8億1000万ドル(972億円)規模の大型支援を行うことを約束した。

ただ、難民受け入れに対する日本の消極姿勢は変わらぬままだ。昨年1年間を見ても難民認定はわずか11人。これでは「難民鎖国」の汚名返上は叶うまい。このほど法務省から示された認定制度の運用見直しを契機に、難民問題のグローバル化が進む時代に適合したシステムづくりを継続的に進めることが肝要だ。

その際、鍵を握るのが市民一人一人の意識改革にあることも忘れてはなるまい。わが地域の「内なる国際化」なくして、難民受け入れの拡充はないことを自覚し合いたい。

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