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ニーズに応えていない理系の分野もターゲットに どうなる国立大学の学部再編

文部科学省が国立大学に対して、教員養成系や人文社会科学系の学部・大学院の廃止・転換を通知したことが大きな話題となり、日本学術会議が批判声明を出すに至った。しかし、これは人文社会系に関しては、あくまで社会の要請などを踏まえた見直しを求めたものであり、教員免許を出さない「ゼロ免課程」の廃止・他学部転換を求めたものだという教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に、ベネッセ教育情報サイトが詳しく聞いた。


***


国立大学の再編に際しては、人文科学系に注目が集まっていますが、理工系に問題がないというわけではありません。その一端を示すデータが、文科省と経済産業省が設置する会議に提出されています。


大学には、IT(情報技術)系などのように「企業における現在の業務で重要だが、大学で学ぶ必要がない専門分野」が多く設置されていたり、必ずしも教育ニーズが高くない分野に多くの研究者が所属していたりする実態がある、というのが、産業界の認識です。理工系においてすら、産業界のニーズと、大学での人材育成が、必ずしもピタリと一致しているわけではないのです。もちろん、大学は産業界だけのためにあるのではなく、最先端の研究を行うべき大学が「企業の現在業務の求める技術とギャップがあるのは当然」(会議資料)なのですが、「産業界の将来のニーズ」と「大学教育との間のミスマッチがないように」(同)する余地はまだまだある、というわけです。


大学の役割には教育と研究の両面があり、もちろん研究も重要だけれども、だからといって教育、もっと言えば大学卒業後に就職をするための教育をおろそかにしてはいけない、ということです。いま問われているのは、大学教育が本当に他の分野にも転嫁できるような汎用的能力を身に付けさせているのか、ということなのです。人文社会学系がターゲットになっているのは、研究者養成を中心にしたようなカリキュラムを続けていていいのか、という点です。人文社会学系は、理工系に比べれば社会のニーズへの対応が遅れている、という認識があったからこそ今回のターゲットになったわけですが、社会との関係が問われているのは、理工系も同じなのです。

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