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短観は追加緩和要因にはならずか

10月1日に発表された9月の日銀短観によると、大企業製造業DIはプラス12となった。前回6月調査のプラス15から悪化。悪化は3四半期ぶりとなる。先行きについてはプラス10に。また、大企業非製造業DIはプラス25となり、前回のプラス23から改善した。こちらの先行きについてはプラス19と悪化を予想している。

 大企業製造業DIの悪化についてはほぼ予想通りながら、大企業非製造業DIは改善を示した。2015年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比10.9%増と、6月調査の9.3%増から上方修正されている。

 大企業製造業での悪化は石油・石炭製品が大きく、原油価格の下落の影響を受けているとみられる。 非鉄金属、はん用機械、生産用機械、業務用機械、電機機械、造船・重機など、中国を初めとする新興国の景気減速の影響を受けている様子がうかがえる。

 しかし、大企業非製造業をみると、物品賃貸の改善幅も大きいが、インバウンド需要などによる対個人サービスの改善幅が大きく、宿泊・飲食サービスも改善している。

 足元に関しては思ったほどは悪くはない印象ながら、先行きについてはかなり悲観的な見方をしている。大きな悪化を見込んでいたのが非製造業の通信。安倍首相が携帯料金の引き下げを検討するよう指示を出したのは9月末なので、調査対象期間は過ぎているものの、すでに悲観的な見方を強めていたようである。

 また非製造業の先行きについては、対個人サービスや宿泊・飲食サービスの悪化を見込んでいる。中国経済の減速はいずれ中国の個人消費にも影響を与えることが予想され、インバウンド需要はピークアウトすると見込むのはある意味当然であろうか。

 10月は6日~7日と30日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。金融政策を決定する上では、この短観も大きな参考資料となろう。ただし、今回の短観の数字を見る限り、これにより追加緩和が決定されることも考えづらい。株価は低迷しているものの、株価対策を含めての小出しの金融緩和策を打ち出すことも考えづらい。日銀総裁は物価の基調は改善しているとの見方を示している。10月30日の展望レポートも気になるものの、日銀は今回最後となる月に二度の決定会合において、両方とも静観を決め込むと予想している。

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