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嗚呼「マイナンバー離婚」内緒の“履歴”がバレて地獄絵図 - 北見昌朗

マイナンバーで夫婦関係に亀裂が入る

多くの人が戦々恐々としている「マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)」がいよいよ来年(2016年)1月から運用される。

メリットがある反面、思わぬデメリットも多いことは、「『マイナンバー大不況』到来で、副業がバレる、水商売履歴が残る、倒産・凶悪事件が増える! でも、日本郵政は『特需』」(http://president.jp/articles/-/articles/-/15332)で指摘した通りである。

簡単に整理すると……。

▼主なメリット

・役所への各種申請・手続きが簡素化される
(これまでは市町村役場、税務署、年金事務所、健康保険組合など、国民に別々の“ユーザー番号(基礎年金番号など)”があったが、それらを国や自治体がマイナンバーカードで一括管理)
生活保護の不正受給の防止ができる
・企業の社会保険(厚生年金や健康保険)の支払い滞納の防止ができる

▼主なデメリット

・会社の規則で禁止の副業が会社に筒抜けになる
・会社や親・夫・彼氏に内緒で水商売している女性が副業発覚を回避するため仕事を辞める(その結果、夜の街で働く女性の人材不足を招き、客足が遠のいて繁華街の活気が失われ、景気低迷の要因にもなりうる)

今後、国は段階的にマイナンバーの利用範囲を広げる予定だ。2018年からは銀行口座を持つ人のナンバー登録が始まることが先日の国会で決まり(個人の金融資産も把握可能に)、今後も、マイナンバーを健康保険証代わりにする、株式の配当や売却益の納税手続きを可能にする、戸籍とリンクさせて年金や相続の手続きを簡略化する、といった案を検討する予定だという。

それぞれの導入には問題点もあるが、私がとりわけ危惧するのは、2017年1月より国がサービスを始めるというマイナポータル(情報提供等記録開示システム)という仕組みだ。

このポータル、内閣官房のマイナンバーのHPによれば、「ネット上で個人情報のやりとりの記録が確認できるようになる」という。パソコンやスマホで「各種社会保険料の支払金額や確定申告等を行う際に参考となる情報の入手等が行えるようになる。 また、引越しなどの際の官民横断的な手続のワンストップ化や納税などの決済をキャッシュレスで電子的に行うサービス」(同HPより)。

便利そうだが、何しろマイナポータル内には、将来的にその人物の年収、預金残高、銀行口座、過去の病歴など、プライベートな情報が満載となる予定だ。となると、様々なトラブルが起こる可能性が大きい。

例えば、夫婦の関係に亀裂が入り、最悪の場合、離婚に発展するケースが多発するのではないかと私は見ている。なぜ、そう予測するのか。簡単に説明しよう。

マイナンバー、夫のマル秘履歴に妻は激怒!

ある男性は妻に自分の年収を500万円と伝えていたにもかかわらず、妻が夫のマイナポータルを覗いたことで、実は600万円だったことが発覚したとしよう。実際、少なめに妻に申告している夫は少なくないだろう。

妻としては、賞与は夏と冬に出ていたことは承知していたが、そのほかにも決算賞与が100万円もあったとは……。その100万円を夫はこれまでいったい何に使っていたのか。妻は騙された気持ちでいっぱいになるに違いない。結婚生活が長ければ長いほど「騙し」の期間が長くなるわけで、家庭内に暗雲が垂れ込めるのは必至だ。

しかし、なぜ妻は夫のマイナポータルを覗くことができたのか。

ポータルを利用する際は、「個人番号カードに格納された電子情報とパスワードを組み合わせて確認する」ことになっている。つまり、マイナンバーの数字とパスワードが必要なのだ。

ただ、同じ屋根の下に住む夫婦であれば、夫のマイナンバーの数字はわかるだろう。一方、パスワードを知るのは難しいと思われるが、多くの人がネットなどで利用しているパスワードはたいてい決まっている(西暦の生年月日の後にローマ字で名前、など)。もし夫のそれを把握できていれば、夫のマイナポータルに侵入することなどいともたやすいことなのだ。

ということで、夫のマル秘情報は妻に筒抜け。将来的にクレジットカードの利用履歴まで残るようになれば、例えば、毎月数万円もキャバクラに使っていた、といったことが簡単に露呈してしまうかもしれない。夫が浮気したりキャバ嬢に入れ込んだりといったことが発覚するのは現在は主にスマホの履歴だが、今後はマイナンバーやマイナポータルの「動かぬ証拠」によって夫がつるし上げを食らうことも増えそうだ。

他にも……。

「結婚して、夫のマイナポータルを見て初めて、400万円もの借金があることを知った」
「夫の実家に嫁入りしたが、義父のマイナンバー情報で大量の借金があることが判明。自己破産するのは時間の問題。嫁いだ先の実家は、借金の抵当に入っていて……」

といった事態も巻き起こるかもしれない。

妻のキャバ嬢バイトと隠し口座も露呈

もちろん女性(妻)もうかうかしていられない。逆に、妻のマイナポータルを夫が見て、“不正”が発覚するケースも続出するのではないか。

今後、食料品の消費税の還付を受けるためにマイナンバーのカードを使うので、どこで何を買ったのか全部履歴が残ることになる。それで、妻がほぼ毎日シュークリームを買って、ひとりでこそこそ食べていたことが分かったり(肥満の理由も判明)、食費は月5万円だと聞いていたのに、実際は4万円くらいしか使っておらず、残りの1万円はへそくりしていたことが発覚したり。

さらに、妻の勤務履歴にあった学生時代のアルバイト先企業の名前をネットで調べたら、なんとキャバクラで、学生時代の4年の間に年収が500万円もあった。しかも、妻は私の知らない銀行口座を持っていて、そこに1000万円も預金があった。日頃は「お金がない、お金がない」と口癖のように言っているのに、全部ウソだったことがバレて、妻不信に陥り、いつしか修羅場を迎える……ことは十分考えられるのではないか。

マイナンバーが夫婦に危機をもたらすとは、政治家も役人も導入前には想像しなかったに違いない。

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