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激動「東アジア」の鍵を握る台湾「蔡英文女史」の来日

今日で9月も終わる。11月に上梓する長編ノンフィクションの執筆で徹夜の連続である。そのため、ブログも更新できないままだった。

さまざまなことがあった9月だったが、なんといっても、安保法制が成立したことが、日本にとっては大きな出来事だったと言える。対中国法案ともいうべき安保法制が通ったことは、中国に対する「牽制」になったことは否定できない。

中国と韓国以外のアジア諸国が法案の成立を歓迎したのは、象徴的だった。いまや東アジアにとどまらず、世界中の懸念となっている中国の膨張主義。日米同盟の強化によって、尖閣と東シナ海への中国の侵攻を躊躇(ためらわ)せることができたなら、安保法制も一定の役割を果たすことになる。

それでも、私は、いよいよ東アジアで「激動が始まる」と思っている。来年1月に台湾総統選があり、そこで民進党の蔡英文女史(59)が、総統になる可能性が極めて高いからだ。

台湾人の誇りと自立を基礎とする民進党政権に対して、いったい中国はどう出るのか。仮に“何か”があったなら、アメリカは「台湾関係法」に基づき、台湾を守るのだろうか。その時、日本はどうするのか。来年以降、両岸関係(中台関係)からは、いっそう目が離せないのである。

来週、その“話題の人”蔡英文女史が来日する。日本に住む台湾人、そして応援してくれる日本人への挨拶とお披露目が目的だが、いうまでもなく安倍政権との「意思疎通」が大きな眼目だ。

10月6日に東京入りし、7日には安倍首相の地元・山口に飛び、村岡嗣政知事と山口県庁で会談する。しかも、すべて同行して道案内するのは、安倍首相の実弟、岸信夫・衆院議員である。

事実上、「安倍家」が全面的に受け入れた形での来日なのだ。そもそも、安倍首相が「師」とも仰ぐ李登輝元総統の外交ブレーンを務めたこともあるのが蔡英文女史である。その蔡女史が「師」と仰ぐのが許世楷・元台湾駐日代表である。安倍首相と許氏との親密な関係は、知る人ぞ知る。

今回、山口から帰京して、いったい蔡英文女史は誰と会うのか、中国側が神経を尖らせているのも無理はない。いざ総統になると、中国のさまざまな妨害で「来日」は難しい。それだけに彼女の東京での一挙手一投足が注目されるのである。

憲法改正によって実現した1996年の第1回台湾総統選の折、中国は軍事演習を強行し、基隆沖海域にミサイルを撃ち込んだ。李登輝氏の「総統選」勝利を阻止するためである。しかし、結果は、逆に台湾人の反発を買って、李登輝氏の大勝利につながったことが思い出される。

台湾の友人からは、「総統選までの4か月間が心配だ」という声も私のもとに寄せられている。何をするかわからない中国だけに、身辺の安全も含めて徹底した警戒が求められる。そして、仮に総統選に勝利しても、政権移譲がなされる来年5月までに、国民党の馬英九総統が何を繰り出してくるかもわからない。

総統に就任後、蔡女史には、“茨(いばら)の道”が待っているが、それでも日本とアメリカがバックにいることは大きい。また、日本にとっても、東シナ海の安定のためには、「アメリカ―日本―台湾」の強固な結びつきは必須なのだ。

さまざまな意味で、蔡英文女史の来日の意味は大きい。安保法制が成立した折も折、来日する「東アジア」のキーを握る蔡英文女史の動向に注目したい。

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