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バブル期の財政運営に警鐘、好況時こそ財政健全化着実に=財務省

[東京 30日 ロイター] - 財務省は30日、1980年代後半のバブル期の財政運営を検証し、「経済状況が良好なときこそ歳出を抑制し、財政健全化を着実に進める必要がある」との考えを示した。

プラザ合意後の円高不況対策や対外不均衡問題など、財政出動を求める時代の要請はあったものの、当時の「拡張的な財政スタンス」に警鐘を鳴らした。

来年度予算編成に向けた議論のたたき台として、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政制度分科会に提出した。戦後70年の節目の年にあたり、戦前・戦後の財政運営からの教訓を導き出した。

1986年度─90年度の5年間の一般歳出の伸び率は平均3.3%と、その前の5年間(1981年度─85年度)の平均1.9%を大幅に上回った。名目国内総生産(GDP)の伸び率が、80年代前半が5.9%だったのに対し、80年度後半は6.5%とさらに伸びを高めた。

財務省は「景気が回復期にあったにもかかわらず、相当の間、財政スタンスは拡張的だった」というデータを示し、バブル期のピークである1990年代に特例公債発行から脱却したが、建設公債発行の縮減にも踏み込むべきではなかったか、拡張的な財政政策がバブル生成の原因ではなかったかなどと問題を提起している。

バブル経済崩壊後は特例公債発行が「常態化」する現状を展望し、財務省は「経常歳出は経常歳入でまかなう」原則の堅持を強調。好況時こそ財政健全化を着実に進めることが「経済ショックが生じた際の対応余力を将来にわたって確保することにつながる」として、諸制度の抜本的な見直しが必要とした。

高齢者像の変化に応じた社会保障制度改革もそのひとつ。たたき台では、戦後のハイパーインフレで財産を失い、高度成長の恩恵を十分受けられなかった「弱者」から、「高齢者像は大きく変わっている」と指摘。「人口動態や受益と負担のバランス等について長期にわたる見通しを持って改革を行うことが必要」とし、世代で切るのではなく、生活困窮者には手厚い対応をするがある程度資産を持つ高齢者には応分の負担を求める考えをにじませた。

終戦直後の混乱期の財政政策では、ハイパーインフレーションによって、終戦直前に200%程度あった国債残高の対名目GDP比は、1950年度には15%弱まで急速に低下したが、同時に悪性インフレ阻止のために実施された「預金封鎖」や「新円切り替え」の金融危機対策、財産税といった特別課税などが、国民にとって絶大な痛みを伴うものだったことを浮き彫りにした。

(吉川裕子)

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