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沖縄米軍基地建設問題 県警を指揮できない知事の権力とは

 県知事の決定が国の決定と食い違った時、国の決定に反対し、抗議行動を行う市民に対して、県警は警察権を行使することができるのだろうか。また、その逆はどうなるのだろうか。

 スイス・ジュネーブの国連人権理事会で演説した沖縄県の翁長雄志知事は9月24日、都内の日本外国特派員協会で講演した。

 その中で、ビデオニュース・ドットコムは翁長知事に対し、もし知事の決定と国の決定が食い違った時、国の決定に抗議する市民のデモや抵抗運動に対して沖縄県警がその排除に乗り出した時、知事は県警に対して何らかの命令をする権限があるのかを質した。

 翁長知事は県知事は警察に対して命令する一切の権限は持たないとして、これを否定した。

 確かに地方自治法や警察法を見ると、知事は都道府県警の公安委員会を管理する立場にはあるが、個別の事件を指揮する権限は持たないことが定められている。少なくとも日本では警察機構はあくまで全国組織なのだ。

 つまり、国の決定と県の決定が真向からぶつかり合った場合、そして市民が抵抗権を行使し、国がそれを排除するために県警を動員した場合、知事は警察に対しては何もできないということになる。市民が知事の意思を尊重して、抗議行動に出ているとしてもだ。

 しかし、権力は最後に力の裏付けがあって初めて権力となり得る。力の裏付けがなければ、市民は権力の決定に従わなくても、その報復を恐れる必要がなく、その権限は実効性を持たない。ということは、地方自治などと言われているが、都道府県知事や市町村長の権力というのは、所詮は国の意思に反しない範囲でのみ実効性を持ち得るものであって、国の意思と地方自治体の意思がバッティングした時は、事実上その意思には力の裏付けがない弱いものということになるのだろうか。

 地方分権が叫ばれる中、これは地方自治の在り方を考える上でも重要な論点だ。

 沖縄県知事が埋め立ての承認を取り消し、国が埋め立て工事の継続を指示した時、その捻じれを解消するために、どのような解決方法があるのか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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