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イエレンFRB議長、タカ派姿勢の仕上げはQ2GDP上方修正

Yellen Expects Fed To Raise Rates This Year, Q2GDP Shows Solid Performance.

大変ご無沙汰しております。筆者、帰国の都合によりブログ更新が遅れてしまいましたことをお詫び申し上げます。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が24日にマサチューセッツ大学アマースト校で行った講演では、「労働市場が一段と改善しインフレが2%の目標値に戻るに合わせ、FF金利誘導目標レンジを年内のいずれかの時点で引き上げ、緩やかに上昇させることは適切」と発言。FOMC参加者と意見を共にしていると述べた上で、念入りにも「年内の利上げ」を2回言及するほどでした。米経済はあくまで巡航速度をたどっており、インフレが抑制されているものの原油安やドル高など一時的要因と強調。年内利上げなしと見込む市場関係者に冷や水を浴びせたものです。セントルイス連銀のブラード総裁は10月に含みを持たせつつ、カンザスシティ連銀のジョージ総裁とともに年内利上げのスタンスを維持。タカ派として知られる両名だけでなく、FOMC率いるイエレンFRB議長の脳裏にも年末までの利上げが描かれています。

ウォールストリートは、Fed関係者のコメントも意に介さず。年内の利上げ織り込み度はたった35%に過ぎません。金融市場の混乱に加え、足元でフォルクスワーゲン・ショックという暗雲が立ち込め市場に配慮するFedが行動に出る確率は低いとみています。モルガン・スタンレーが中国景気減速で最も打撃を受ける国として「Troubled 10」(台湾、韓国、タイ、シンガポール、ロシア、南アフリカ、ブラジル、ペルー、チリ、コロンビア)を挙げたように、第2のアジア危機をめぐる不透明感もくすぶったままです。

本当に9月は、いろいろありますね。過去にはリーマン・ショックをはじめこちらの通り数々の波乱がマーケットを席巻してきたものです。

イエレンFRB議長の健康問題も、ここに来て不安材料として浮上中。チャートや引用紹介を含め40ページに及ぶ講演原稿を52分にわたって消化するなか、咳き込んだり中断する一幕もあって緊急治療を受けました。Fedの広報担当は「まぶしい照明に長時間さらされ、脱水状態に陥った」と説明。講演後に予定していた夕食会をこなしたと報告していましたが、69歳のイエレンFRB議長にかかるストレスは今後さらに増すリスクが高い。いわゆるFedという「聖域」への規制を強化を目指す保守派勢力の台頭でジョン・ベイナー米下院議長が辞任を余儀なくされ、Fedへの風当たりが強くなることは必至です。

唯一の救いは、米経済の順調な拡大ぶり。以下は米4−6月期国内総生産(GDP)確報値のレビューです。

米4−6月期GDP確報値は前期比年率3.9%増と、市場予想および改定値の3.7%増を上回った。速報値の2.3%増から、大幅に上方修正。年次改訂を経てプラス成長へ上方修正された1−3月期の0.6%増も軽く超え、3期ぶりの高水準を示す。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)の予想レンジ上限を抜けた。

GDPの7割を占める消費は3.6%増と、改定値の3.1%増および速報値の2.9%増から上方修正された。1−3月期の1.8%増を軽く上回りつつ、ホリデー商戦を追い風に2006年1−3月期以来の高水準に達した2014年10−12月期の4.3%増には届かず。GDPの寄与度は2.42%と改定値の2.11%、速報値の1.99%、1−3月期の1.19%を超えた。

(個人消費の内訳)
・耐久財 8.0%増、1年ぶりの高水準<改定値は8.2%増、速報値は7.3%増
・非耐久財 4.3%増、2013年1−3月期以来の高水準>改定値は4.1%増、速報値は3.6%増
・サービス 2.7%増>改定値は2.0%増、速報値は2.1%増

4−6月期は、個人消費がけん引。

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(出所:BEA)

民間投資は、上方修正が優勢。企業の設備投資を表す機器投資はマイナス圏から脱却し2期連続でプラスを示したほか非住宅投資、構造物投資、住宅投資も引き上げられた。

(民間投資の内訳)
・民間投資 5.0%増<改定値は5.2%増、速報値は0.3%増
・固定投資 5.2%増、2014年7−9月期以来の高水準>改定値は4.1%増、速報値は0.8%増
・非住宅 4.1%増、3期ぶりの高水準>改定値は3.2%増、速報値は0.6%減
・機器投資(企業の設備投資) 0.3%増>改定値は0.4%減、速報値は4.1%減
・構造物投資 6.2%増、前期のマイナスからプラス圏を回復>改定値は3.1%増、速報値は1.6%減
・住宅投資 9.3%増>改定値は7.8%増、速報値は6.6%増
・知的財産 8.3%増、少なくとも過去4年間で最高>改定値は8.6%増、速報値は5.5%増

在庫投資が引き下げられた結果、GDPの寄与度は改定値の0.22%から0.02%へ下方修正された。純輸出も、寄与度を縮小。政府支出は、改定値と変わらなかった。

(その他)
・純輸出の寄与度 0.18%ポイント、3期ぶりにプラス<改定値は0.23ポイント、速報値は0.13%ポイント
・在庫投資 1135億ドル増<改定値は1210億ドル増、速報値は1100億ドル増

(政府支出)
・政府支出 2.6%増、3期ぶりにプラス=改定値は2.6%増、速報値は0.8%増
・連邦政府 ±0%=改定値は±0%、速報値は1.1%減

GDPデフレーターは前期比年率2.1%の上昇と改定値と変わらず。1−3月期の0.1%を大きく超え、1年ぶりに2%台を回復した。PCEデフレーターも改定値と同じく2.2%上昇し、1−3月期の1.9%のマイナスからプラスへ反転。コアPCEデフレーターは改定値および速報値の1.8%から、1.9%へ上方修正した。2010年10−12月期以来の水準へ沈んだ1−3月期の1.0%から回復し、FOMCのインフレ目標値「2%」ヘ一歩近づいたかたちだ。

企業収益(税引き後)は前期比2.6%増と、改定値の1.3%増から上方修正。1−3月期の7.9%減から回復した。ドル高が響きマイナスが続いたものの、3期ぶりに増加に転じている。ただ前年同期比では、0.6%減だった。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果に対し「最終消費が従来の3.5%増から3.9%増へ上方修正された半面、在庫投資が確報値で下方修正された」と指摘。7−9月期も最終消費がけん引すると見込まれる半面、在庫投資の縮小を意識し米7−9月期GDP予想を「2.0%増」で維持した。バークレイズは2.2%増、BNPパリバは2.6%増、アトランタ地区連銀の試算では1.4%増を見込む。

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