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「真の第三極を作りたいから、私は党首選に立候補せず離党を選んだ」 次世代の党前幹事長 松沢成文氏インタビュー

次世代の党の次期党首として中山恭子氏が決定するまでの流れの中で、8月27日の夜に突如、松沢成文氏が次世代の党を離党されました。選挙ドットコムでは、松沢氏本人に離党までの経緯と今後についてインタビューを実施しました。

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本人から明かされる離党の真意「3つの違いが原因だった」

【選挙ドットコム編集部(以下、編集部)】
今回離党するに当たって「路線の違い」があったと会見では述べられていますが、具体的にどのような違いだったのでしょうか?

【松沢氏】
まず1点目は、「是々非々路線」の考え方の違いです。
是々非々という言葉では、当初、次世代の党内では一致していました。政治としては当たり前の話ですが、「いいものに対しては賛成し、おかしいところは指摘をして反対していく」ということです。

しかし、より具体的に話を詰めていくにあたって、幾度と無く話し合いをしていったところ、約半数以上の人が「将来は自民党に戻りたいから、自民党との連携重視の路線でいきたい」と考えていることが明らかになりました。
次世代の党は改革保守の立場として、既得権益にまみれた自民党が打ち出せない政策を出して初めて選挙で戦える政党です。将来は自民党に行きたいとか、自民党との連携を第一に考える路線ではなくて、第三極として保守の改革派を目指していく路線を私は目指したかった。

もちろん、安全保障や憲法改正に関して、政策が一緒であれば自民党と一緒にやっていく構えでしたが、それは自民党のためではなくあくまで国益のため。このような政治路線の違いがあることが露呈し、このままではいずれにしても割れることになるのでは?と考えました。

2点目は、「党改革」に対する考え方の違いです。
石原さん80歳、平沼さん76歳、そしてまた76歳の中山さん、と高齢の方が続けて党首になるようでは国民に対して魅力のある政党になり得ないので、私はこの流れを変えなければダメだという考えでした。もっともっと若くてアピール力ある人物を起用するという党の方針や改革が必要と考えていました。しかし、私の考え方は受け入れられませんでした。

打ち出す政策についても変えていく必要があると訴えました。既得権を打破する鋭い経済政策が必要だということです。憲法・安全保障・歴史認識などのイデオロギーイシューだけでなく、経済や生活の改革政策をもっと訴えるべきだと主張しました。

そして、最後3点目は「次世代の党の党名変更」についてです。既に2回も惨敗している「次世代の党」の党名が、完全に負のイメージになっているので名前を変えるべきだと訴えたのですが、それも受け入れられませんでした。

危機存亡の中にある次世代の党を再生させるには「既得権益を打破する鋭い政策」「若くてアピール力のある党首」「過去のマイナスイメージを払拭するための党名変更」の三つを柱とする党の抜本的改革が必要だと訴えましたが、急進的すぎたのでしょう。私の考え方は残念ながら受け入れられませんでした。党を改革するチャレンジが出来なかった。政治路線と党改革の考え方に大きな溝があれば早晩党は分裂してしまいます。そこで私は第三極の政界再編という目標を貫くために、無所属となって新たな挑戦を始める決断をしたのです。それが今回の離党に至った経緯です。

【編集部】
「松沢さんが選挙をしないで勝手に逃げたのでは?」という見られ方もあります。立候補しなかった、選挙を選ばずに離党した理由があれば聞かせてください。

【松沢氏】
党首選挙をしたらしたで、私は勝つことが出来たと思います。しかし勝ったとしても、その後一緒にやっていく中で、私の推し進めたい3つの抜本的改革が反対されて実行できないのは目に見えていました。路線に関しても、第三極路線で行きたい私と、自民党と連携していきたい半数以上とで対決するわけで、私が党首になったところでいつかこの党は割れるのが明らか。それであれば、今私が身を引いた方が党全体のダメージも少ないと判断しました。

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健全な第三極を作りたい!まとめ側にまわることも視野にフリーハンドで動いていく。

【編集部】
第三極路線と仰ってますが、その“路線”についてもう少し具体的に教えてもらえますか?

【松沢氏】
外交安全保障については、「現実路線」です。どちらかというと現実主義で保守的なので、自民党に近いといえます。しかし、内政については「徹底した改革路線」、これは既得権益の打破で日本の構造改革・経済改革をする路線で、自民党とも民主党とも違う「第三極路線」です。
自民党は既得権益擁護です、民主党も一部労働組合を抱えている分野では既得権益は擁護の立場です。第一極(自民党)は政官業、第二極(民主党)は労働組合といった古い組織との結びつきのせいで、抜本的な構造改革・経済改革ができません。それらを私は打破したいのです。

まず大きな政府から小さな政府へのシフトが必要です。政官業や労働組合などの政府の関係が膨れ上がってきているので、ばっさり切ることが不可避。官権から民権へという改革をしたい。郵政(JP)や日本たばこ(JT)の完全民営化による10兆円近い株の売却資金を生み出し、それを東北の復興資金に回す、などこんな政策を実現したいと思っています。

【編集部】
松沢さんが考える第三極のあるべき姿とは?

【松沢氏】
本来なら、第一極、第二極、第三極、となるべきところ、現在は力のある第三極がなくて、四、五、六、七…と小数政党がだらけの政治構造になっています。

第一極と第二極と比べて勢力は小さくても、第三極が第一極について憲法改正をするとか、第三極が第二極について第一極を阻止するなどが可能になります。これこそが政治のキャスティングボードを握る本物の第三極です。

次世代の党は右よりの支援、山本太郎となかまたちは左翼の支援、というような日本の極めてマイノリティーの人たちの拠り所としての党ではなくて、いろんな人が入ってこられるもっと大きな勢力でなければいけないと思います。この第三極づくりに成功すれば、本来の民主主義が健全に機能するようになります。

橋下氏のアピール力には感嘆。私自身はまとめ側にまわらないといけないのかも?

【編集部】
そのポジションをと期待されていたみんなの党がなくなり、今はまた維新の党が割れました。新たに橋下さんが動き出しましたが、それと近い考え方なのでしょうか?

【松沢氏】
橋下さんと深く話をしたことがないのではっきりはわかりませんが、維新も道州制について言及しています。私も抜本的な地方分権改革をやってこうという立場なので、その点では近いと言えるかもしれません。

橋下さんの大阪維新の会は、大阪での改革という点では分かるのですが、国政となると何をやるのかがまだはっきり見えてきません。現段階で肯定も否定もありませんが、今後、どのような基本的な考えで行くのかを見てから判断したいと思っています。

ただ、自民党、民主党以外のもう1つの勢力をという枠組みの中では、同じ方向にあります。

【編集部】
橋下徹さんについて、どう思われますか?

【松沢氏】
あれだけアピール力があって、メディアジャックできる人はいないと思います。演説もうまいし力のある方だと思います。政局を動かす力という面ではかつての小泉さんに並ぶものがある、時代の寵児ですね。
ただ、政治というのはアピールと同時に地道なまとめ作業も必要で、それができる参謀が松井さんなのかわかりませんが、そういうところもできる政党だということを見せていかないと国民の信頼はなかなか得られないのではないかと思います。

【編集部】
今後松沢さんが作っていきたい第三極の代表は自分が、と考えているのでしょうか?

【松沢氏】
橋下さんではありませんが、アピール力がある人が他にもいるかもしれないし、私自身はまとめ側にまわらないといけないなとも考えています。自分自身の知事としての経験、既得権益の打破の実績もありますし、どうなるでしょう。まだわかりません。

既得権益を打破する、健全な第三極をつくる。このことに今は力を注ぎたい。

【編集部】
最後に、松沢さんのプロフィールについて、所属政党が変わっていくことを指摘する方もいらっしゃいますが?

【松沢氏】
私自身が訴えてきたこと、政策自体はなんら変わっていません!非自民、保守、徹底した改革、の路線です。政党政治の現実の中で互いを尊重し、意見を調整しながら歩んできましたが、信念や政策、訴えていることはなんら変わりはありません。

国益を第一に考える、既得権益を打破する、健全な第三極をつくっていく、同じように考える同士もたくさんいます。このことに今は力を注ぎたいと思っています。

選挙ドットコム編集部

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