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アングル:ブラジル、政治混乱が通貨安に拍車 中銀介入も効果薄

[サンパウロ 23日 ロイター] - 23日の外国為替市場でブラジルレアルが対ドルで急落し、過去最安値を更新した。中国のコモディティ需要鈍化に加え、政治危機が財政悪化につながるとの懸念が広がったためだ。

中央銀行は通貨スワップの追加的な売却入札と買い戻し条件付きのドル売りを駆使する介入を実施したが下支え効果は乏しかった。レアルの対ドル相場終値は2.3%安の1ドル=4.1454レアルで、年初来では35%の下落となった。

他の中南米通貨も世界経済の減速不安から軒並み値下がりしたが、レアル安は国内政治情勢によって拍車がかかった面がある。

ブラジル議会は23日、ルセフ大統領が歳出急増回避のために下したいくつかの拒否権行使を支持したものの、今後数年で歳出を拡大させる恐れがある法案の大統領拒否権を認めるかどうかの採決を先送りした。議会はまだこの採決の具体的な日程を設定しておらず、市場では大統領の拒否権が覆されるのではないかとの観測が浮上した。

ブラジルでは大統領と議会が対立を繰り返し、経済を一段と悪化させて今月にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同国の格付けを投資適格級未満に引き下げる事態になった。

現在の政治的なこう着状態については、レアル急落が「だれも勝利を手にしていない」ことを示している、とクーニャ下院議長が発言している。

こうした中で中銀は23日、提示した2万枚の通貨スワップのうち4400枚を売却し、24日にも同規模の売却を実施する方針を明らかにした。中銀が3月に通貨スワップ・プログラムを打ち切って以降、ロールオーバー以外で入札を発動したのは初めてだった。

中銀は同時に2016年7月5日と同9月2日を買い戻し期日とする最大20億ドルのドル売りをスポット市場で行うと発表した。

ただ証券会社BGCリクイデスの通貨トレーディング責任者、フランシスコ・カルバロ氏は「この種の介入はレアル安を和らげることができるはずだが、ボラティリティがあまりに高い」と語り、投資家は途方に暮れてドルに殺到しつつあると指摘した。

一方でルセフ大統領の経済チームに属する政府筋はロイターに対して、通貨スワップと買い戻し条件付きドル売りを通じた介入は、同国の3700億ドルに上る外貨準備には影響を与えず、政府としては現段階で外貨準備を使った介入は考えていない、と語った。

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