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米利上げは12月の可能性が高まる

米国の連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日から17日にかけて開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げは見送り、実質的なゼロ金利政策を継続することを9対1で決定した。反対したのはリッチモンド地区連銀のラッカー総裁で、利上げを主張して反対票を投じた。

 声明では、米国景気は緩やかに拡大していると指摘したものの、中国経済の減速をきっかけにした世界的な株価の急落などを踏まえ、最近の世界経済と金融市場の動向が景気をいくぶん下押しする可能性があり、短期的にインフレに一層の下向き圧力をかける可能性が高いと指摘した。

 利上げに向けての前傾姿勢というよりも、ここにきての株価の下落などの影響も指摘するあたりは、やや意外感もあった。これはあくまで今回利上げをしなかった理由説明のためと思われる。目先の市場動向に振り回されてしまうと、先々を睨んだ金融政策運営が出来なくなるリスクがある。表現は悪いが、今回利上げしなかった言い訳のひとつとみておいた方が良いのではなかろうか。

 イエレン議長は会見で、10月のFOMCでは記者会見は予定されていないが、利上げ実施の可能性のある会合の1つと位置づけていいのかとの質問に対して、「すべてのFOMCで金融政策の変更ができる。仮に10月に利上げに踏み切る場合には、記者会見を開催するだろう」と答えている(日経新聞電子版)。

 これも教科書的な答弁となる。ただし、ここから探れるのはFRBには現状維持と利上げのふたつの選択肢しか考えていないことである。今回発表された金利見通しからは、17人中13人が年内に1度以上の利上げを見込んでいる。あとは利上げのタイミングということになる。

 イエレン議長は政策変更について経済データ次第との表現をしているが、そのデータが極端に変わるような出来事がない限り、とみておいた方が良いかと思う。物価に関するデータは利上げを急ぐ必要性を示していないが、雇用に関するデータについてはクリアしていると思われる。それよりも世界的な経済金融リスクそのものが後退している以上、正常化に向けて舵を取ることは当然であり、それはつまり利上げということになる。

 しかし、金融市場があまりに中央銀行の異常な緩和策に慣らされてしまったこともあり、そこから抜け出すには慎重に事を運ぶしかない。現在のFRBはそのために念入りに講じられたスケジュールに沿って正常化に向けて歩みを進めていると個人的には見ている。そこから出てくる結論としては2013年のテーパリングの事例にならって、利上げは12月のFOMCとみておく必要があるのではなかろうか。

 9月21日にセントルイス連銀のブラード総裁は、米国の労働市場が回復し、物価が低水準であるものの安定して推移していることを踏まえると、「非常事態」に対応するための政策を引き揚げる時期が来たとし、FRBが10月に利上げに踏み切る根拠は十分にあるとの考えを示した(ロイター)。

 同日、アトランタ連銀のロックハート総裁は、ジョージア州で講演後、10月のFOMCでも利上げの是非を検討するものの、金融市場の変動などの影響をあと1か月余りで見極めるのは難しいかもしれないと述べ、利上げが見送られる可能性を示唆した。ただし、講演では年内の利上げに自信があるとも述べており、12月会合での利上げの可能性を示唆した格好に(時事)。

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