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インタビュー:高ボラで買い好機、郵政3社に関心=米PGI

[東京 18日 ロイター] - 米資産運用大手プリンシパル・グローバル・インベスターズのジム・マコーガン最高経営責任者(CEO)は、ロイターとのインタビューで、今夏に日米の株価が乱高下した背景には超高速取引(HFT)やレバレッジ型上場投資信託(ETF)などの拡大があるとの見方を示した。

そのうえで長期投資家はその特性を利用すればボラティリティ(変動率)が高い状況下で利益を狙えると語った。また、11月に控える郵政グループ3社の東証上場に関連し、株式取得に動く意向を明らかにした。

同社は米アイオワ州デモインに本拠を置く資産運用会社で、6月末の運用資産総額は3462億ドル(約42兆円)。

インタビューは同氏が来日した16日に東京で行った。概要は以下の通り。

――夏以降、世界の金融市場が大きく荒れている。

「世界的な株価急落の引き金となったファンダメンタルズ要因は中国経済の減速懸念や人民元切り下げなどだが、流動性がそうした価格変動に拍車をかけている実態がある」

「例えば、商品市況が急落する局面では追加担保差し入れの需要が発生し、市場から流動性が引き揚げられる。これは流動性やトレーディングシステムの問題で、ファンダメンタルズの問題ではない」

「特に米国市場で顕著な現象だが、相場が3%下がるという時に、HFT業者やモメンタム系トレーダーらがそれに先回りして動く。それによりボラティリティが上昇し、ストップロスが誘発される。この影響は市場にとって破壊的となり得る。8月24日に米国株は4─5%寄り付きで下げたが、このとき一部のスマートベータETFは40%も下げた。それはストップロスのせいだ」

「また、レバレッジ/インバース型(レバ/インバ型)ETFも同じように値動きを増幅する。テクニカルな話だが、市場が5%下がると、それらETFの仕組みにより引けで何十億ドルもの売り注文が発生する。ダウ平均が300ドル下げた後、引け前の10分でさらに200ドル下げるという現象は、ここ数年で何度も実際に起きている」

「つまり、レバ/インバ型ETFには、仮にファンダメンタルズ要因による下落分を3%として、それを10%に増幅するような影響力があるということだ」

「日本では、国内勢の取り引きが活発でないのに出来高がかなり高いが、これは外国人投資家が多くの取引をしていることを意味する。HFTであれモメンタム系であれ、米国と同じ現象は確実に起きている」

――長期投資家としてはやりにくい相場か。

「われわれ長期投資家の視点からすると、3%下がるべき時に10%下がるならばファンダメンタルズ以上に下げていることになり、むしろ買いのチャンスだ。買いに適したタイミングは、引け前の10分かもしれないし、8月24日のようなストップロスを考えれば寄り付きかもしれない」

「いずれにせよ、トレーディングシステムが変化しているのだから、投資家も考えを変える必要がある」

――為替については。

「アベノミクス最大の成功は第1の矢、つまり金融緩和だ。日銀は金融政策を適度に緩和的にする政策により、円を以前よりかなり弱くすることに成功している」

「1ドル=120円というのは、日本企業の競争力を確保する上でいい水準だろう」

――11月には日本郵政グループ3社の上場が控える。

「NTTドコモ以来の大型IPOだが、上場は成功裏に実施されると思う。その時の状況はもちろんわからないが、基本的に脅威ではなくチャンスだとみている」

「政府は売却を数回に分ける慎重スタンスだし、今回の売り出し分も適量だ。発行規模が大きすぎて株式市場の需給を悪化させるというのは杞憂だと思う」

――いずれかの株式取得に関心は。

「われわれは確実に取得に動くだろう。3社とも保有する可能性が高い」

「最終決定はその時に行うが、グローバル・ポートフォリオのどこかしらに追加することになるだろう。特に(ゆうちょ)銀行と(かんぽ)生命保険は今後大きなビジネスチャンスが見込めそうだ」

「われわれのような投資家がグローバルポートフォリオの1つとして株式を取得する場合、必ずしも日本の別の銀行を売る必要はない。ほかの国の銀行株を売るという選択肢があるからだ」

――日経平均は現在1万8000円台前半だが、日本株の上昇余地は。

「現時点のバリュエーションは適正だと思う。景気が上向けばさらに上もあり得るが、驚くほど割安ではなく、待ちの姿勢だ。日本株については米国ほどには強気でなく、まあまあリーズナブルという感じだ」

「欧州と新興国、コモディティについてはアンダーウエートしている。ソフトランディングがハードランディングかは定義によるが、中国経済は向こう数か月間に一段と減速するだろう」

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)

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