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パルコ委任状争奪の可能性

パルコは29日、第2位株主のイオンが提示していた提携案への回答を同社に提示した。社長ら現経営陣の交代や出資比率の引き上げなどの提案は受け入れられないとした。引き続き提携内容に関して協議を続ける意向を示しているが、現段階では事実上の拒否に近い。パルコに対しては筆頭株主の森トラストも経営陣交代を求めており、森トラスト・イオンとパルコの間で5月下旬の株主総会に向けて、経営体制を巡る委任状争奪戦が始まる可能性が出てきた。

(日本経済新聞2011年3月30日12面)


【CFOならこう読む】
昨年9月4日のポスト「パルコと日本政策投資銀行の提携、森トラスト反」の続報です。
「イオンは2月下旬に投資ファンドからパルコ株の12.3%を取得し、提携を求めてきた。イオンは今月下旬、平野秀一社長を解任すると同時にイオンの松井博史執行役をを会長とするなど3人を取締役として派遣し、森トラストからも取締役2人を受け入れることを提案した。さらにパルコの買収防衛策の撤回と、子会社化を視野に出資比率の引き上げを検討することを求めた」(前掲紙)

これに対し、パルコは、
「イオンの出資比率を大きく上回る 10 名中 3 名という割合でイオンから取締役を受け 入れること、さらにその中に代表執行役会長(CEO)を含むことに対しては、当社の事業の中核を成すテナ ント様及び従業員の理解を得ることが著しく困難であり、当社の企業価値・株主価値向上に繋がるものかどう か、現時点においてイオンから受領した情報のみに基づいて確信するには至りませんでした。」(2011年3月29日「イオン株式会社からの提案書の受領と、それに対する当社取締役会の見解について」株式会社パルコ

と拒否の姿勢を示した上、買収防衛策の発動も検討するとしています。
これまでのパルコを巡る動きは以下の通りです。

2001年 森トラストがパルコ株を約20%取得して筆頭株主に
2006年 パルコが買収防衛策を導入
2008年 森トラストが出資比率を33.2%に拡大
2010年 森トラストが出資比率50%弱まで引き上げ提案
2010年8月  パルコが日本政策投資銀行と資本業務提携
2011年2月  イオンがパルコ株を約12%取得
2011年 3月中旬 イオンが役員派遣など具体的な提携案を提示
2011年 3月下旬 イオンが社長交代含む役員派遣などを再提示
2011年 3月29日 パルコがイオンの提示した提携案に回答
(前掲紙)

本件と直接関係ないですが、日本政策投資銀行というのは、東京電力へ政府が「危機対応融資」を行う際に融資を実行する窓口をなるような政府系金融機関です(民営化路線は決まっていますが)。こんなところに首を突っ込むべきではないと思います。

【リンク】

2011年3月29日「イオン株式会社からの提案書の受領と、それに対する当社取締役会の見解について」株式会社パルコ

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