1.「憲法の番人」までが違憲と証言
昨日の安保特委の中央公聴会で、元最高裁判事の濱田邦夫弁護士が、集団的自衛権行使の解釈変更につき「憲法違反」である旨、意見陳述をなさいました。すなわち、「昭和47年政府見解」という憲法9条の解釈文書の中に「限定的な集団的自衛権が可能であると書き込まれている」という安倍内閣の合憲主張について、
「それは読みたい人がそう読んでいるというだけの話で、裁判所に行っても通らない主張である」、
「法匪(ほうひ)という言葉がございますが、法文そのものの意図するところとはかけ離れたことを主張する、悪しき例である」、
「とても法律専門家の検証に堪えられない」
旨、断言をなさいました。
同様の意見は、衆議院の参考人審議(6/22)において元内閣法制局長官の宮﨑礼壹教授が、
「黒を白と言いくるめる類いというしかありません」などと喝破なさっています。
つまり、安倍政権の安保法制は、「憲法の番人」と呼ばれる元最高裁判事から、そして、「法の番人」と呼ばれる元内閣法制局長官から、それぞれ具体的な根拠を持って、完全に違憲であると断ぜられているのです。
にもかかわらず、政府与党は、数にものを言わせて、本日15日の18時より法案の強行採決のための委員会を開催することと決定しています。 しかも、彼等には60日ルールの最終手段があります。
もはや、この空前絶後のクーデターに対して、国民の皆さんに立ち上がっていただく他ありません。
その際には、「私たちの憲法を奪うな!」と、安倍総理とそれを支える与党議員を痛撃していただく必要があります。 そのため、昨日の濱田元最高裁判事のご主張をご説明させていただきます。
2.安倍内閣の合憲の主張 ~解釈改憲のインチキ~
なぜ、安保法制は、憲法9条に違反するのか。それは、濱田元最高裁判事が「日本語を普通に理解する人であれば」と仰っているように、真相を知って頂ければどなたでも容易に「インチキだ!」とご理解して頂けるものです。
国会では、この真っ黒な憲法違反について完全に立証しています。
しかし、それが国民の皆さんに十分に届いていないのです。
集団的自衛権は、安倍内閣の主張する「自国防衛のための限定的な集団的自衛権」なるものを含め一切行使できない、「憲法9条の改正」以外に実現の手段はない、と戦後一貫して国会答弁されてきました。
しかし、安倍内閣は、昨年の7.1閣議決定で、「昭和47年政府見解」の中に、「限定的な集団的自衛権が可能であると書いてあることを発見した!」と主張し、安保法制(法案)を国会提出したのです。
つまり、これまで誰も気付いていなかったのだけれども、この限定的な集団的自衛権をも可能にする論理こそが、本当の憲法9条の「基本的な論理」なのだ、と主張しているのです。
えっ、昭和47年政府見解の中のどこにそんなことが書いてあるの?と聞くと、安倍内閣は、以下の文章を根拠に挙げています。
外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされる冒頭の「外国の武力攻撃」という文言ですが、「誰に対する外国の武力攻撃か」が明記されていません。
憲法制定来、歴代政府は、個別的自衛権しかできないとしていたのですから、当然、「我が国(日本国)に対する外国の武力攻撃によって国民の生命などが根底からくつがえされる」と読むはずです。
しかし、安倍内閣は、誰に対すると書いていないのだから、「同盟国に対する外国の武力攻撃」とも読めるはずだと主張しているのです。
そうすると、「同盟国に対する外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされる」と読めることになる。 つまり、アメリカに対するイランの武力攻撃によって石油が足りなくなって日本国民の生命などが根底からくつがえされる、というホルムズ海峡の事例などの集団的自衛権のことも書いてあるじゃないか!と主張し始めたのです。
実は、安保法制の集団的自衛権行使は、この「外国の武力攻撃」というたった一言の読み替え、言葉遊びによって生み出されているものなのです。



