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Netflixのオリジナルドラマは1回に4億円も掛けてるらしい

またまたNetflixについて書きますが、ステマの意図は決してないことを最初にお断りしておきます。

日本に上陸したNetflixが「1ヶ月無料」ということで3日に登録して以来、往年の名作「フォレストガンプ/ 一期一会」などを楽しんだあと、Netflixが出資したオリジナルドラマ「DAREDEVIL」にハマってしまい、シーズン1の全13話を”一気見”してしまいました。

原作はMarvel社のコミックです。スーパーマンやスパイダーマンの流れを汲み、普段は普通に暮らしているものも、悪に対してはマスク姿でなぎ倒すという痛快アクションなんですが、目新しいのは、主人公が盲目で、ニューヨーク市の抱える貧困問題、差別などと闘う正義の弁護士という顔を持つこと。

アクションシーンはカンフー映画そこのけの激しさで、そこも見所かもしれませんが、底流に今日的なテーマを据えていることも人気の秘密のようで、comicbook.comによると、Netflix最初のオリジナルドラマで、ネット配信の作品として初のエミー賞を受賞した「House of Cards」を圧倒的に上回る視聴率だったということです。

主人公の活躍振りは荒唐無稽ではありますが、ニューヨーク州と同市の全面協力で、セットではない場所での大掛かりな撮影にリアリティがあり、俳優たちの演技も上等に見えます。

さぞかし、お金が掛かっただろうと興味をそそられ、ググってみました。予想した通りでした。少々古いですが、このプロジェクトがスタートした昨年2月のVarietyの記事によると、 「Marvel Defenders project」というコミック原作の4部作シリーズの総予算は3年間で2億ドル、240億円だそうです。

これをDigital Trendの記事では、「1エピソード当たりの制作費は330万ドル余り(約4億円)になる。これはケーブルテレビで大ヒット、3年連続でエミー賞、ゴールデングラブ賞を受賞したMadManの250万ドルをはるかに上回る」としています。

なぜ、そうなるかというと、4部作シリーズは各13回(1回は正味50分)で計52回ですが、この最後に4部作のヒーローが結集する4回ないし8回のミニシリーズが加わることになっており、それを8回とすると計60回になるので、2億ドルを割ると、1回330万ドルというわけです。

今、日本のテレビドラマがどれほどの予算で制作されているかは知りませんが、一昔前は3千万円が相場のように聞きました。それが、あまり変わってないと仮定すれば、Netflixの制作費はざっと10倍なわけです。ちなみに、先に挙げたNetflix最初のオリジナルドラマHouse of Cardsの制作費も一本当たり380万ドル(約4.5億円)だそうです。

そんな潤沢な制作費を出せるのも、世界6,500万人に達したという有料契約者がいればこそ。そして、良質な番組があることで、加入者はこれからも増え、資金はますます潤沢に。なんだか、既存テレビ局への影響が心配になります。

2012年にNetflixが上陸した英国では、昨年末に、BBCのテレビ担当幹部が「BBCはNetflixなどのオンラインプラットフォームと前例のない厳しい戦いに直面している」と述べていました。そして今年6月、テレグラフ紙が「前例のない圧力がBBCの視聴料収入にかかっている」と書き、翌7月、BBCは1,000人以上の人員削減をしましたが、それをウォールストリートジャーナル紙は「テレビからインターネットへ視聴者が急激に移っているため」と指摘しました。

日本では、今月下旬から、Netflixよりさらに安くなる計算のアマゾン・プライムビデオも始まるそう。先行したHuluとの三つ巴のSVOD(有料ビデオオンデマンド)競争に突入します。果たして英国のようなことが起きないのかどうか。

昨年10月の拙ブログ「テレビ番組はネットで見る時代の幕開け 」の冒頭に、ニューヨークタイムズで「メディアの方程式( MEDIA EQUATION)」と題するコラムを書き続けた著名なメディア担当記者David CarrさんのフレーズをThe Stream Finally Cracks the Dam of Cable TVという記事から引用しました。

変化はとてもゆっくり現れると思っていた。でも、出し抜けに起きた。断固とした姿勢で。そうした時代が来ることは知っていた。でも、こんなに早くじゃないはずだった

Carrさんは今年2月に亡くなりました。生きていたら今の状況方程式をどう解くのでしょうか。

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