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外資系企業誘致へ 経産省包括策の問題点

経済産業省は5日、外資系企業のアジア統括拠点や研究開発拠点を日本に誘致するための包括策をまとめた。地方税を含む法人実効税率を当初5年間は28.5%に引き下げる。入国審査などの手続き迅速化や補助金も用意する。

税制優遇などは年間投資額などの一定条件をクリアした企業が対象。まず30社の誘致を目指し、国内経済の活性化につなげる。



(日本経済新聞2010年1月6日5面)


【CFOならこう読む】


「法人実効税率は2011年度税制改正で5%下げて35.64%となるが、認定企業に対してはこれを28.5%に引き下げる」(前掲紙)


外資系企業のアジア統括拠点や研究開発拠点を日本に誘致することの重要性は理解できますし、その必要性についてこのブログでも繰り返しお話ししているところです。


しかし、それによって日本に本社や研究開発拠点をおく日本企業が、競争上不利になることがあってはなりません。外資を誘致するために法人税率を引き下げることは必要だと思いますが、それは外資だけを対象にしたものでなく、全ての法人を対象にするものでなければいけません。


そうするとまたぞろ財源の議論になるわけですが、手当てすべき税収減の計算は、税率引き下げにより新たに誘致される外資企業や日本からの撤退を考える企業(当然日本企業も含まれます)の税収まで考慮にいれて行われるべきです。


管理会計的に言うと差額原価の概念です。


そして差額原価には当然に機会原価(いくつかの選択肢がある場合、ある選択肢を採択することにより逸失する他の選択肢から得られる利益)が含まれます。


要するに、財源がないからこれ以上法人税率の引き下げは行わないという意思決定によるコストには、そうしなければ日本から撤退するであろう企業の税収減や、税率の引き下げを行えば日本に進出してくるであろう外資による税収増まで含めて考えなければいけないということです。



経済産業省はともかく財務省にはこのような視点が欠落しているように私は思います。

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