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安倍首相の暴走によって実証されたこれだけのこと

 昨日の国会包囲行動では、再び車道に人があふれ、大変な状況になったようです。「なったようです」というのは、私は現場に行っていなかったからです。
 しかし、その様子はユーチューブで分かります。このような形で現場の様子が分かるということが、この運動を広める有力な武器になっていると言えるでしょう。

 国会周辺は、まるで「祝祭」の場と化したように見ました。これから毎晩、同じような状況が生まれるにちがいありません。
 人々の怒りとエネルギーがほとばしっています。「強行採決絶対反対」「安倍はヤメロ」「安倍政権は直ちに退陣」「安倍晋三から日本を守れ」と……。
 私の言う「反響の法則」が、このような形で実証されたように思いました。権力が弾圧と暴虐を強めて暴走すればするほど、その「反響」は大きくなるという「法則」が……。

 実証されたのはそれだけではありません。安倍首相の経済・金融政策である「アベノミクス」は「アホノミクス」で、そのうち「ク」が取れて「アホノミス」になるだろうという予測も、次第に実証されつつあります。
 中国の株暴落に端を発した株価の乱高下が続いています。アメリカの金利引き上げや日本自身の金融緩和からの「出口」の先には、さらに大きな谷底が横たわっています。
 今年第2四半期のGDP成長率はマイナスで家計消費の赤字が続いているのに、再来年4月からは消費税が再び10%に引き上げられます。その際に導入されるはずだった「軽減税率」は「還付金詐欺」まがいのアホ政策に捻じ曲げられ、国民から総スカンを食っています。

 日本人母子の乗船は米艦防護の絶対的条件ではない、ホルムズ海峡の機雷除去についても現実的には想定していない、砂川判決は集団的自衛権はもとより個別的自衛権についても答えを出していないとする元判事のメモが見つかるなど、戦争法案の嘘と出鱈目についても余すところなく明白になりました。政府・与党は説明不能に陥り、自衛隊中枢の暴走についても国会終盤のドサクサに紛れてウヤムヤにしようとしています。
 戦前の軍部の独走を許した腰抜け政治家や官僚の過ちを再び繰り返そうというのでしょうか。戦争法案の背後にあった米軍と自衛隊の思惑と一体化を阻止するためにも、この法案の成立を許してはなりません。
 この法案は自衛隊員だけでなく国民のリスクも増大させると批判してきましたが、その批判も「イスラム国(IS)」が日本の在外公館などへの攻撃を呼びかけたことで実証されました。まさに、この法案は成立する前から「安倍の悪夢」の扉を開いたことになります。

 戦争法案が成立すれば税金の使い方が変わり、軍事費などが増えるに違いないと警告してきましたが、この警告も実証されようとしています。来年度予算の概算要求で防衛費は過去最大の5兆911億円とされ、米軍再編経費を含む要求額としては3年連続の増加で、15年度を366億円上回る規模になります。
 法案が成立して「海外で戦争する」ことが可能になれば、自衛隊の一部は日本の国外へと派遣されます。そのための装備や部隊が必要になり、国内の守りが手薄になることは明白ではありませんか。
 大地震や火山の噴火、それに豪雨や大水害など天災への備えはどうなるのでしょうか。防災など国内での「そこにある危機」にこそ手厚く備えるべき時に、海外へと自衛隊を送り出す余裕があるのでしょうか。

 「安倍はヤメロ」というコールには、このように破たんが明らかになってきている愚策の数々を直ちに止めなさいという国民の要求が含まれているように思います。そのためにも、首相を辞めて「直ちに退陣」せよというわけです。
 戦争法案に反対する運動は、安倍内閣に対する倒閣運動へと発展しつつあります。法案の採決や国会の会期とは異なって倒閣運動には期限がないということを、安倍首相はきちんと認識しているのでしょうか。
 今日から、私も国会前の人の波に加わるつもりです。「安倍晋三から日本を守る」ために……。

 なお、現在刊行中の岩波書店発行の雑誌『世界』10月号に、拙稿「自民党の変貌―ハトとタカの相克はなぜ終焉したか」が掲載されています。ご笑覧いただければ幸いです。

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