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純投資のヘッジに関するIAS39号の会計処理

住友商事は為替変動による純資産の目減りを抑えるため、外貨投資の際のルールを策定した。出資案件ごとに一定の金額をスワップなどでヘッジすることを義務付けるうえ、通貨ごとの未ヘッジ分に上限を定める。新ルールは2011年にも運用を始める。

(日本経済新聞2010年12月21日15面)

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「円高が進むと海外子会社への出資を円換算した金額も減少する。これは会計上「為替換算調整勘定」と呼ばれ、マイナス分が自己資本から差し引かれる。住友商事の新ルールでは、原則、外貨で投資した資本金のうち一定の金額については、先物やスワップ取引などで固定化し、為替変動の影響を軽減する」(前掲紙)
IAS39号は、適格純投資ヘッジについて規定しています。例えば在外営業活動体に対し、40£の出資を行ったとすると、この出資から生じる為替リスクは、連結財務諸表上、為替換算差額としてその他の包括利益に計上されます。これをヘッジするために60ポンド(直物為替レート100円/£)の借入を行ったとすると借入時に

(借方) 現金 6,000円   (貸方)借入金 6,000円
の仕訳が行われます。

「IAS39号で。在外営業活動体に対する純投資のヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理しなければならないとし、具体的には、

(a) ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち、有効なヘッジ(IAS39.88参照)と判定される部分は、その他の包括利益に認識しなければならない。

(b) 非有効部分は、純損益に認識しなければならない。と定められている(IAS39.102)。」

(IFRS及びIASの解説 第28回 IAS21「外国為替レートの変動の影響」、IFRIC16「在外営業活動体に対する純投資のヘッジ」 中井雄一郎 会計・監査ジャーナル2011年1月号)


したがってIAS39.88のヘッジ要件が満たされている場合、期末日の直物為替レートが105円/£の場合、

(借方) 為替差損     100円   (貸方) 借入金  300円

その他の包括利益 200円

という会計処理が行われます。
この会計処理により計上されるその他の包括利益と、純投資から生じる為替換算差額との間で、ヘッジ会計が成立することになります。

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