記事
  • LM-7

教員一人あたり科研費配分額から見えてくる大学格差

科研費新規採択数から見る国内の研究分野別有力大学・研究機関各国内大学・研究機関におけるアクティビティの高い研究分野日本はどの分野に研究費を重点的に投入しているのかに続く科研費可視化第4弾、今回は各大学に所属する教員一人あたりの科研費配分額を散布図にしてみた。あくまで所属教員一人あたりの配分額であって、実際に採択された研究者への平均配分額ではないことに注意されたい(採択されていない研究者の科研費は当然0である)。

例によって平成26年度科研費配分結果に基づいている。また、各大学の教員数は国立大、公立大については大学基本情報、私大については大学ポートレートのデータを利用した。国立大、公立大の教員数は専務者で統一されているが、私立大については明記されておらず兼務者が含まれている可能性がある。

散布図上部のフォームで大学種別と大学名称でフィルタリング可能だ。下の方の散布図は一部を拡大したものである。各散布図は左上の方に現れるメニューバーを操作することで拡大縮小が可能であり(ダブルクリックでも拡大/Shift+ダブルクリックで縮小)、Shift+ドラッグで移動できる。元に戻すときはメニューからホームアイコンをクリックしてほしい。


グラフを一瞥して気づくのは旧帝国大学の優遇である。総額、教員一人あたりともに公立大、私大とは一線を画している。巨額の予算を必要とする大型プロジェクトはどうしても旧帝国大学主体で進められるという事情もあるのだろう。また、総合研究大学院大学、奈良先端科学技術大学院大学などの大学院大学は教員一人あたりの配分額が極めて高くなっている。大学院大学の専門性が奏功しているのだろうか。東京工業大学がこのポジションを占めていることも特筆すべきだろう。

私大では総額で慶應義塾大学、早稲田大学が筑波大学、広島大学、神戸大学などと同等のポジションに位置している。また、日本医科大学、関西医科大学、東京医科大学などの医大が一人あたりの配分額では比較的大きい。そうは言っても国立大学(特に旧帝)との格差は歴然であり、これが申請者と審査者のどちらに起因するのかはこのグラフからはわからない。私大には規模の小さい大学が多いので、多くの私大が左下に偏るのは当然だが、規模の大きな有名私大にはもう少し存在感を示してほしいところだ。

科研費以外にも研究費を得る手段は複数あり、たとえば企業と共同研究や研究委託などにより資金を得ることは一般的だ。営利企業である私大のほうが国公立大学よりも資金の獲得能力が高いということは十分に考えられる。そもそも大学が潤沢な研究予算を与えていれば、競争資金を獲得する必要はないわけだ。こうした理由により、私大においては科研費が国公立大学よりも重視されていないのかもしれない。

一方で、大学によっては科研費を得られるような研究ができていないという可能性もある。各大学が教育と研究の自らの役割を全うできているかどうかは常に検証されなければならない点だが、少子化に伴う国力低下の流れの中でその検証はより厳格に行われるべきだろう。

あわせて読みたい

「大学教育」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ドラゴンボールが儲かり続ける訳

    fujipon

  2. 2

    コロナが炙り出す質低い大人たち

    毒蝮三太夫

  3. 3

    元慰安婦団体なぜ内部分裂したか

    文春オンライン

  4. 4

    ブルーインパルス飛行批判に落胆

    かさこ

  5. 5

    コロナ対策成功は事実 医師指摘

    中村ゆきつぐ

  6. 6

    元自民議員 安倍政権長く続かず

    早川忠孝

  7. 7

    上場企業レナウン倒産に業界激震

    大関暁夫

  8. 8

    コロナとN国で紅白歌合戦ピンチ

    渡邉裕二

  9. 9

    報ステ視聴率危機? テレ朝に暗雲

    女性自身

  10. 10

    ひろゆき氏がテラハ問題に言及

    ABEMA TIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。