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頭の悪い奴は損をする

 かつて日本マクドナルドの社長で「銀座のユダヤ人」を自称していた、故藤田田氏は「頭の悪い奴は損をする」というビジネスマン向けの本を書きました。多くの起業家がこの本を読んで起業したことと思います。ぼくもその一人で、小学生の時に読んで以来何度も読み返してきました。この本はビジネスや起業だけはなく、色々と人生に必要な知恵を与えてくれました。それは著述業でも普段の生活でも役にたっております。

 先日記者クラブについて書いたら転載されたBLOGOSのコメント欄には「頭の悪い奴」がいかに多いか。

 記者クラブ制度は報道のアパルトヘイト 中谷防衛大臣の見解
 http://blogos.com/article/133020/forum/
 
 別にぼくの主張に反対していただく分には、こんな失礼なことはいいません。無論にぼくに対する反論は当然ながらあるでしょう。が、記者クラブの問題に関して全く知らないのに、脊髄反射的に誹謗中傷を書いている人たちはスマートとはいえないでしょう。
 四則計算も怪しい小学生が代数や微積分について述べるようなものです。
 

 意見を述べるならば、その問題についてある程度の知識が必要でしょう。それがなければ、自分で調べるなり、勉強する必要があるでしょう。今日日ネットで少し調べる程度でもある程度の情報はつかめます。本来書籍なども読んだほうがいいのですが。

 どんな人にも自説を開陳する自由があります。また素人は発言するなどと毛頭申すつもりはありませんが、知性も教養もリテラシーもなく、物事を調べようと言う知的素養もなく、頭のなかで勝手なストーリーを捏造して、それに対して直情的な意見を述べる人たちは議論のしようもありません。


 この記者クラブの問題で目立ったコメントが、

記者クラブ=大組織=信用できる VS 非記者クラブ=フリーランス=信用出来ない

 といった構図に基づくものでした。ですが、これは誤りです。非記者クラブ会員にはテレビや新聞以外のほぼすべての、メディアが含まれます。そこれを大企業や歴史の古い企業である講談社、新潮社、文藝春秋などの出版社の社員もなれないわけです。
 その程度のことも知らずに意見を述べているわけです。

 しかも、会員であるテレビ局の撮影クルーは大抵下請けであり、局の社員じゃありません。「信用できない零細企業」の人間です。

 それがOKならば、週刊誌の社員の記者や、その社が身分を保証したフリーランスの記者もでてOKとなるでしょう。それが排除されています。

 つまり、記者クラブ問題は大組織 VS フリーランスという話ではないのに、勝手に脳内合成して「有りもしない事実」文句をいっているわけです。


 もう一つあったのが、有象無象のフリーランスを入れると会見が混乱するという主張でした。まず、上記のように大手出版社すら会見に出られないので、フリーランスだけの問題ではありません。

 記者クラブは我が国とジンバブエ、ガボンあたりしかないと仄聞しておますが、他の国はどうしているのだろうか、と普通の知性や知能、好奇心がある人間なら気になるでしょう。

 多くの国では一定の実績がある、身元が確認できる記者は、その個々に記者に対して(会社ではない)、プレスパスを発行しています。これが身分証となって官庁の記者会見にも参加できます。
 フリーランスのジャーナリストになるのは簡単です。名刺を作ればあなたも今日からフリーランスのジャーナリストです。でもそのような人たちには当局はプレスパスを発行しません。

 こういうことはネットでちょっと調べれば分かることです。

 四則計算もできない人間が1+1=1だと大騒ぎしているようなものです。


 我が国では外国の様なプレスパスがないので我々は大変困ります。軍事関連の取材では外国の取材でプレスパスを提示しろと求められることは多々有ります。それができない。そのつど我が国の記者クラブ制に対して説明しないとなりません。

 ぼくの場合は現在は外務省発行のパスを持っていますから、これが使用できます。ところが不思議な事にはこれには「これはIDカードはありません」と書いてあります。ところが外務省は所属媒体も、ぼく個人について多くの書類を要求し、身元を確認して発行しています。当然ながら申請しても発行されない人もいます。これは実質的にIDカードです。この但し書きは恐らく記者クラブを刺激しないためものでしょう。

 記者クラブの会員企業の個々の記者に対しての調査を当局はしておりません。民間企業に丸投げしています。ぼくは外務省から直接クリアランスを受けていますが、記者クラブの記者たちは個々の会社が身元を保証しているわけです。コメント欄の方々の大嫌いな「売国」の朝日や沖縄の新聞社の人間が政府機関のチェックもなく記者会見に参加しています。果たして諸外国と我が国とどちらがセキュリティ上まともでしょうか。


 常識的に考えれば、日本よりも遥かに、セキュリティに関して神経質な米国や英国、フランスその他の諸外国の当局の記者会見ではフリーランスの出席が可能であり、セキュリティの問題はどうしているだろうか、と知的疑問、あるいは好奇心がでて然るべきだと思うのですが、そうじゃない残念な人達がコメントするわけです。

 以前から申し上げておりますが、この手の人たちは、フランス料理の店でブルーチーズをだされたら「カビたチーズを出された、謝れ」と主張しているようなものです。中華料理でピータンがでたら、「腐った卵を出された」と大騒ぎするようなものです。ところが本人はグルメを自称しているのです。


 またアパルヘイトを例に出すのは大げさで、問題だという意見もありました。
 ぼくは民主化された94年以前の南アフリカにも何度も行っており、実態を見ております。
 
 現地では白人利用するレストランや、トイレなどは黒人は入れない、また職業や結婚も差別さておりました。

 我が国の当局の取材現場では縷縷申し上げて来たように記者クラブ会員以外は記者会見は勿論、勉強会、プレスツアー、懇親会などから非記者クラブ会員は排除されております。そもそもフリーランスはそのような情報すら知りません。また記者クラブのキャップ、論説員を対象にしたレクチャーなどにも勿論参加できません。

 機会の均等を奪われている、明確な差別待遇である点ではアパルトヘイトと同じです。そのような機会を独占している新聞社やテレビ局は「白人の旦那」です。
 

 結果として当局と記者クラブの慣れ合いによって、他の媒体やフリーランスを排除することによって、事実上記者クラブは当局にとっての防波堤の役割を果たしております。

  一例をあげましょう。ぼくが陸幕衛生部に対する取材を陸幕広報室が黙殺したことがありました。黙殺なんて民主国家の軍隊の広報でありえません。これが普通のフリーランスであればそのまま、終わったでしょう。
 ところがぼくが大臣や陸幕長の記者会見で追求したたために、陸幕広報室と衛生部は取材に応じました。その結果はあれこれ記事にしておりますが、よくぞ書いてくれたというお声がけを内部の方かた多数いただきました。
 ぼくが記者会見に出られなかったらこういうことは実現しておりません。記者クラブはこういう「不都合な質問」の防波堤となっているわけです。ですからNHKの鈴木徹也記者のように「和を乱す」ぼくの質問に対して圧力をかけるのが当然と思う記者たちがいるわけです。


 別にぼくの主張を100パーセント支持しろとは毛頭申しませんし、反論もあるでしょう。それは大いにやって欲しいと思います。ですが、最低限の知識なく脳内で合成した「記者クラブの現実」をもとにコメントされても困ります。

 また自分を政府や体制と一体化して他人を批判する快感を得ようとしているようにも思えるました。ですが、自分が政府や体制と一体感をもっても、相手はそのように思っていません。単なる片思いです。
 恐らくは本心ではご自分に自信がなく、実社会の他者からも評価され、認知欲求が満たされないのでしょう。自分を体制や権威と一体化することで自分を偉いと思い込みたいのでしょう。それをやるなとはいいませんが、みっともいいものじゃありません。
 
 どうせ議論を戦わせるであれば、もっと建設的なものにしたいと思った次第でした。


例えばこの問題でも、自分がよく知らなければ、ネットで調べるなり、本なりを読んで勉強して、その上で議論をするのであれば、知識は増え、何らかご自分が得るものがあるしょう。主義主張がお互い違っても議論は有意義なものになるでしょう。
 ですが、実際にやっているのは例えば読書会で、指定された本を読まずにタイトルだけをみて、勝手に妄想して主張しているわけです。まともに相手にされなくても仕方がないでしょう。
 それでいて自分の話を聞けというのは虫が良すぎます。

 議論は自分を向上させる機会です。ですが、まともに勉強もせずに、上から目線でフリーランスは屑だとか、悪口言っている人は、その時は自分が偉くなった気になってちょっと得をした気になったり矮小なカタルシスを得ることはできるでしょう。ですがそれは現実逃避であり、得るものは実はありません。
 むしろご自身の社会性を更に錆びつかせているだけです。この手の人達はいつまで知的向上が見込めません。

 「頭の悪い奴」は損をします。

 まあ、いくら説明してもこの手の人達は理解できないでしょうけども。


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
陸自の「機動戦闘車」調達は予算のムダ遣いだ
陸自機甲科の失業対策が主目的?
http://toyokeizai.net/articles/-/82806

Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。~
【防衛省、機銃の調達はMINIMIのみ】~小銃用弾倉による空砲射撃で“弾詰まり”
http://japan-indepth.jp/?p=21427

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