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ネット社会。川上氏の警鐘

自分が勤務している会社の代表だから支持するという訳ではないが、今週の週刊文春の川上量生さんのコラムが芯を食っていてると思う。

「ネット民の勝利?」と題するこの文章には、オリンピックの佐野エンブレム問題をネット民が暴き、勝利の喧伝をすることに川上さんが重大な危惧を表している。

川上さん曰く、ネット民は現実社会で居場所がない人達であり、世の不正義を暴く「奇妙な正義感」を持った人達である。背景には現実社会で上手く生きている人への妬みやそねみがある。「ネットの調査力は凄い」という方もいるが、この件は同業者の内部告発がきっかけだった可能性が高い。(私 、吉川が2ちゃんねるの「ひろゆき」に直接聞いた所によると、ネット上の「炎上」はわずか1~3人の少数の関係者または炎上を意図した人間達が仕掛けていることが多いという。)

内部告発装置としてネットは素晴らしいという意見もあるが、問題は「正しい情報」と「間違った情報」をネットが識別できるかにある。印象によって善悪が決まるとするとネットはどんな攻撃でも正当化できる恐ろしい武器になる。いわゆるネットによる「集団私刑」リンチである。ネット世界の良識ある有識者もこの事態に大きな疑義と将来への不安を口にしているという。

・・・以上がこのコラムの概要である。

また、この事件の異様な盛り上がりによって名を上げた評論家・専門家・コメンテーターもいるだろう。大きな扱いだったので、その陰で消えた重大ニュース・報道もあるだろう。この問題はネット社会におけるこれからの報道の難しさを孕んでいる。ネットで盛り上がっていると、報道する側も雑誌や新聞が売れたり、テレビで視聴率が取れたりすると完全に思い込んでいる。

この案件はこれからの報道ビジネスにも一石を投じたと思う。私は必ずしも佐野氏を擁護するものではないが、バッシングに終始し冷静な「表現作業における模倣と剽窃の意味」に関する歴史を踏まえた論考・討論会などはほとんどなかったのだから。確かにあれが「吊し上げ」すると日本社会のある種の歪んだ病理が現れていると思う。

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