記事

「ラジオってどうやって聴くんですか?」

1/2

嘘みたいな話ではあるけれど、人気アイドルがラジオ番組をはじめるというようなニュースが出たときなんかに、ラジオ局や家電量販店で若い人から「ラジオってどうやって聴くんですか?」という質問が寄せられるらしい。また、若い人に「ラジオって聴いてる?」と質問すると「聴いてる、聴いてる」と答えるので「ラジオで?それともradikoで?」と尋ねると「うんん、YouTubeで」。まあ、どちらの話も笑い話ではあるけれど、あながち嘘ではないんだろうなあ、とも思ったりします。

 これは前に書きましたが、現在のラジオの聴取率は関東広域圏で6%前後。曜日や時間帯によって変わりますが、大雑把に言えば、100人いれば6人くらいラジオを聴いている計算になります。ちなみに、ラジオの聴取率調査が始まった2002年の聴取率は関東広域圏で8.3%でした。現状をどう評価するかは、数字の読み方を知る知らないによって違うでしょうし、立場によっても異なるのだろうと思います。

 よくラジオの聴取率はradikoらじる★らじるを含まないよね、という話がでるんですが、それは間違い。受信機に機械を取付けるテレビと違って、ラジオは個人に質問する形式なので、家で聴いても、お店で聴いても、歩きながら小型ラジオで聴いても、radikoで聴いてもラジオを聴いたことになります。なので、radikoやらじる★らじるができてラジオ復活、みたいな話は、まあ、かなり盛った話で実際とは違います。それは、あえて言えば、これからの話。個人的には大いに期待はしていますが、今のメディア環境の中でのラジオメディアの地位低下は、複層的な問題がからみあっていますから、これはいろいろ時間がかかりそうな気がしています。

 現象として言えば、聴取率が3%から4%下がると、冒頭のような「ラジオってどうやって聴くんですか?」というようなことが起きる、ということなんですね。こういうことが起きるということは、かつてラジオを聴いていたのに今は聴かなくなってしまった人の中にも、潜在的にあるインサイトだということで、「ラジオってどうやって聴くんですか?」という質問に答えることは、それなりに意味があることだと思います。

 では、どう答えるか。考えてみると、これはほんといろいろあるんです。多種多様。しかも、どの聴き方も一長一短。それは、後述しますが、ラジオメディアが放送メディアとして、テレビと比較してもかなり先を行った先進メディアであることの証拠でもありますし、そこがラジオメディアの面白さでもあります。個人メディアの特性を活かして、自分のわかる範囲で、かつ、かなり独断と偏見を交えながら、いろんなラジオの聴き方を書いてみたいと思います。

 ●    ●

 ラジオで聴く。

これは定番中の定番で、今年、日本でラジオ放送がはじまって90年ですが、これまでもずっと行われてきたラジオの聴き方です。

 しかしながら、今、この聴き方が、とりわけ都心部においてかなりきつい聴き方になってきています。いわゆる難聴取問題です。特にAMに顕著で、コンクリートのビル内ではちゃんと聴けないこともかなり多く、その一方で、手頃な値段で買える、いわゆる安いラジオ受信機の電波受信性能は下がってきている傾向にありますので、ラジオを買ったはいいけど、こんなんじゃまともに聴けないじゃないか、ということが十分あり得ます。

 じつは、ラジオ各局は、この電波受信をめぐる環境の悪化に苦しめられてきました。以前ならうまく聴けたラジオが今、うまく聴けなくなってきている。そのことは、経営的な観点からも、防災的な観点からも、かなり問題でした。

 そこで、以前はラジオもテレビと同様に地デジ化しようという動きがありました。デジタル化によって、難聴取はある程度解消はされますが、今度は別の問題が出てきます。今までのラジオではラジオが聴けなくなってしまいます。それはあまりにもリスクがあり過ぎる、ということで、この動きはなくなりました。その代替として、今、進められているのがAM放送のFM波での同時放送です。FM補完放送と呼ばれ、地デジ化で空いた1chから3chの周波数を使います。AMはこれまで通りです。首都圏、関西圏などは、この秋以降となりますが、鹿児島の南日本放送を皮切りに、続々とスタートしています。

 どんなラジオでラジオを聴くか、ということを考える際には、このFM補完放送を考慮に入れなければ損をしてしまいます。旧テレビ地上波アナログの1chから3chの音声が聴ける古いタイプのラジオなら、このFM補完放送は聴けますが、それ以降に生産され、かつ、FM補完放送対応のラジオが出るまでの期間に生産された多くのラジオでは残念ながらFM補完放送は聴くことができません。また、このタイプのラジオは今も数多く流通しています。また、海外製の高級機も、まだ未対応のものが多いです。購入の際は、FMの受信周波数が76MHz〜108MHzになっているかどうかの確認をおすすめします。

 そのあたりを考慮しながら、どんなラジオを選べばよいかを考えてみます。僕は、今のラジオ電波受信環境を考えると、ラジオは多少値が張っても基本性能が高いもののほうがよいと考えています。音質にこだわる、インテリア性を求める、など様々なニーズはあるかと思いますが、ここでは個別ニーズは考えないこととします。また、震災でラジオの重要性がクローズアップされ、できればラジオは備えておきたいという防災的観点も、せっかくラジオを買うのですから考えてみたいと思います。いつも聴く用に1台、防災用に1台というのが理想ではありますが、ちょっともったいないですし。

 基本性能が高い。持ち運べる。いざというとき電池で動く。この3点を考えておすすめは、これ。

 少々デザインが古いですが、AM、FMともに受信性能がかなり高く、スピーカーも大きく音質もいい。いわゆる普及帯価格の中ではかなりおすすめ。もっと受信性能が高い高級機はありますが、普通に使う分には、これ以上はないのではないでしょうか。もちろん、ワイドFM(FM補完放送)対応。電池でも動きます。えっ、ステレオではないの、と思う方もいるかもしれませんが、屋外FMアンテナを設置しないでラジオのロッドアンテナを立てて聴く場合、より雑音のない音で受信できるモノラルのほうが、日常使いではよい選択かと思います。

 でも、デザインが好きではないとか、もっと大きいもの、あるいは小さいものがいいと思う方は、実売5000円から10000円くらいのソニー、またはパナソニック(どちらもラジオ作りに熱心)のものであれば、あまり問題は出ないように思います。

 防災用には、こちらがおすすめ。

 Amazon.co.jpでもラジオでベストセラー1位になっていますね。これがいいところは、同種の防災ラジオと比較しての受信性能の高さ。ラジオは多少値段が高くても、受信性能。これはラジオ選びの鉄則です。ただし、現在のところ注意が必要なのは、現行機はワイドFM対応ではないということ。つまり、これでFM補完放送は聴けません。ちなみに、この機種は手回し発電でスマートフォンを充電できます。こういう気配りは、さすがソニーだと思います。

あわせて読みたい

「ラジオ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下氏 コロナめぐり識者に苦言

    橋下徹

  2. 2

    安全無視? 日本の危機管理に呆れ

    ESQ

  3. 3

    クルーズ船で横浜の飲食店が悲鳴

    田中龍作

  4. 4

    3日で5倍 韓国のコロナ感染急増

    木走正水(きばしりまさみず)

  5. 5

    横浜発の世界一周クルーズ出港へ

    WEDGE Infinity

  6. 6

    夫の性犯罪発覚で妻が味わう屈辱

    幻冬舎plus

  7. 7

    告発した岩田医師の行動は成功

    中村ゆきつぐ

  8. 8

    「殺してやる」辻元議員に脅迫文

    辻元清美

  9. 9

    新型コロナ感染拡大にWHOが警告

    ロイター

  10. 10

    中居正広「登る山を探している」

    SmartFLASH

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。