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ETFとETNの定義

1月27日の日経新聞に東証がETNの上場を4月をめどに目指しているという記事がありました。

『貴金属やアジア株…、新型の指数連動証券、東証、4月めど上場。』 (日経新聞)
東京証券取引所はETN(上場投資証券)と呼ばれる新しい証券の上場を4月をめどに解禁する。貴金属やアジア株で設定した指数などに価格を連動させる金融商品で、上場投資信託(ETF)と違って現物の資産で運用しなくてもよいのが特徴だ。

このニュースは様々なブログなどで取り上げられているので、ここではETFとETNの違いについて少し確認しておきます。

日経新聞の記事はミスリードを誘う記述があります。日経新聞の記事を読むと「ETFは現物の資産で運用しなくてはならない」と解釈してしまう人がいるかもしれませんが、これは間違いです。

最も原始的なETFは現物拠出の運用であり、これが基本形です。しかし、ETFは全部が指数同様の現物拠出とは限りません。

例えば、東証ではMSCI KOKUSAI連動の「上場インデックスファンド海外先進国株式」(1680)がありますが、これはファンドに投資しており、そのファンドは先物を主体として投資しています。
LyxorのETFが導入された時に話題になったETF組成方法として、シンセティック・レプリケーションという方法もあります。ヨーロッパの方で流行っているようですが、指数に近い構成銘柄で資産の大部分を保有しつつ、細かい部分はインデックスとのギャップ部分を埋めるようなデリバティブに投資することでインデックスとの連動性を目指しています。

海外に目を向けても、様々なETFがあります。
Rafferty Asset Managementという会社は「Direxion Daily Large Cap Bear 3X Shares」というETFを提供しています。(BGZ:Google Financeのデータ)

BGZはRussell 1000 Indexの日々の値動きと逆の方向に3倍の値動きをするというベアETFです。ベアETFですから現物拠出はできません。どのように組成されているかというと、80%が指数構成銘柄のショートポジションとして残りで3倍の値動きを実現するための証券等に投資しています。
コモディティに投資するETFもいろいろありますが、必ずしも大豆やトウモロコシや原油の貯蔵庫を持って現物を確保しているわけではなく、コモディティの分野のETFは先物を大いに活用しています。

私も一時期は勘違いしていましたが、現物の裏づけが無いETFはETFじゃなくてETNだ。海外ではそういうものはETNと(略)」という風潮の批判も結構ありました。そして、Googleでいろいろ検索していても基本的にはこの考え方に近い記述が極めて多く見つかります。Wikipediaもそうです。
しかし、このような批判は残念ながら間違いで、ETFは現物資産で運用するものとは限らないのです。
これが今回のエントリーで一番重要なポイントです。
※少し前に見つけたRussell Investmentの『ETFs, Swaps, and Futures』のレポートでも多様なETFについての説明があります。


「ETFは現物資産の裏づけがあるものだ」という誤解を解いたところで、本題に戻ります。
「ETFとETNでは何が違うのか?」の回答は「資産の裏づけ」です。「現物資産の裏づけ」ではなく、「資産の裏づけ」という点が重要です。

このように書くと、次には「何が資産の裏づけなの?」という質問が出るかもしれません。

この問いに答えるには、東証の規則にETFに要求されている「資産の裏づけ」に関する記述があり(当然ですね)、これに触れながら書きたいのですが、長くなるので次のエントリーで書きます。

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