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城繁幸氏の発言に考える、オピニオンリーダーが過激になっていく理由

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まったく活発ではありませんがtwitterアカウントを取り(@tsurao)、何人かの人のつぶやきを見ています。

その中で先日気になったつぶやきは城繁幸氏(@joshigeyuki)のつぶやきです。
「でも考えてみればおかしな話だよね。これから終身刑に処される囚人に対して「将来のビジョンは?やりたいことは?」とか面接で聞くなんて。そりゃ3年で辞めるはずだよ。」
「まあ、人生=終身刑だと思ってる人にはちょうどいいんじゃないかな。終身雇用も。」
「それとも僕が会ったことないだけで、世の中は「仕事に恋に完全燃焼中の大企業サラリーマン」で溢れてるのかね。朝8時台の大手町とか霞が関とか見てると、終身刑食らったような顔の人が多いけど。」
「学生の夢を壊すようで申し訳ないが、彼らの羨望の的である大企業や公務員として働く30代で、あんまり幸せそうな人に会ったことがない」
「ベンチャー、中小は総じて元気。前者には希望があり、後者はもとから会社なんぞに期待してないから」


●大企業勤めや公務員 ⇒ 不幸で元気が無い。終身刑を受けた囚人のようだ。

●ベンチャーや中小 ⇒ 総じて元気

これに同意する人は日本の労働者でどれだけいるのだろうか?終身刑の囚人とこき下ろされた大企業勤めや公務員だけでなく、中小企業の労働者の多くも城繁幸氏の発言に賛同できないだろう。

私の身の回りの話で申し訳ないが、私も一応は大企業に分類される企業に勤めてはいる。全員が幸せそうに生きているわけではないが、多くが不幸そうなんてことはない。他の大企業勤めの30代の知人でもそのほとんどが不幸だとはとても思えない。不幸そうな人もいるが、幸せそうな人も相当な数いる。
一方、ベンチャーや中小企業勤めが総じて元気という話も聞かない。幸せな人もいるが、そうでない人も多くいる。少なくとも大企業勤めや公務員の幸せ度を不幸とする基準で測定すれば、ベンチャーや中小企業勤めの人たちはより多くの割合で不幸に分類されるだろう。大企業勤めの人たちはボーナスが減りながらも住宅ローンを問題なく払えて子どもを私立に通わせて外食できる中、中小勤めではボーナスどころか給与そのものが減ってしまって生活費に四苦八苦している人もいる。(大企業勤務でもこういう人はいるが、全体的には中小の方が厳しいことになっている。)

少し余談。
城繁幸氏は「前者には希望があり、後者はもとから会社なんぞに期待してないから」から元気と書いているが、ベンチャーに希望があるから元気というのは間違いで「一握りのベンチャーには希望があり、他のベンチャーにはデスマーチをしている」の方が適切だろう。
また、中小企業勤めの人が会社なんぞに期待していないから元気というのは珍説。「会社なんぞに期待しておらず、自ら起業して食べていこう」という人には当てはまるかもしれないが、このような人こそ一握りの人間。多くの中小企業勤めの人間は、城繁幸氏に言わせると「期待していない」らしい会社から支払われる給料がライフラインで、これに期待している。

会社に期待しないから元気もしくは幸せという主張は、強制的な悟りの世界。
「俺はこんな会社でしか勤められず、大して金も稼げない。でもそんな期待していない会社からもらうお金で生きている身分。俺なんか分相応で金を使って楽しむことなどできない。子どもを大学に入れることも諦めよう。いや、子どもを持つことさえ諦めよう・・・」

これを心から受け入れられれば幸せかもしれない。しかし、そんなものだろうか人生とは。
このような理屈は、それこそ企業経営者には都合のいい論理。まさに終身刑を食らった囚人の話。城繁幸氏はいつの間にか体制側にまわってしまったのか。

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