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外務委員会質問(ウクライナ、カザフスタン、国のガバナンス)

 金曜日、外務委員会で質問に立ちました。条約審議でして、ウクライナ、カザフスタン、ウルグアイとの投資協定、カタールとの租税協定、ルクセンブルグとの社会保障協定が掛かっていました。多分、今国会外務委員会では最後の質疑になるんじゃないかなと思っています。

 映像についてはココです(緒方林太郎の部分をクリックしてください。)。映像では分かりにくいですが、林欧州局長は外務省入省時の直属の上司でして、ちょっと不思議な気持ちを持ちながら質疑に臨みました。

 最初はマイクが不通で難儀しました。冒頭1分くらい音が映像に入っていません。どうも質疑者のマイクが故障していたようです。

 ウクライナ投資協定について、紛争継続中の東部ウクライナやロシアが一方的に併合したクリミアに本協定の適用はあるのか、と問いました。クリミアについては適用できない(条約上の義務が履行できないことによる違法性が阻却される)ということでして、東部ウクライナについては適用がある、いずれにせよ、これらの地域に進出している日本企業はないということでした。

 更に、クリミアでロシア側から日露投資保護協定の適用を求められたら、日本企業はどうしたら良いのかと問いました。ここは答弁としては「日本政府としては受け入れられない」ということでした。まあ、そうなのですが、現場で日露投資保護協定に基づく対応を個別の事業者に要求してくることへの決定的な答弁はありませんでした。嫌な質問でしたね、答えにくいのです。

 その後、現在のウクライナの混乱について質問しました。以下の質問は、すべてロシアの行いは正当化する意図がないということを断っての質問です。

 ウクライナという国は、昔、キエフ公国がありました。キエフ公国の正式国号はルーシです。正に「ロシア」という言葉の原点はこのキエフ公国にあるのです。更には第二次世界大戦での最激戦地はスターリングラード(現在のヴォルゴグラード)でした。ロシアにとって心の里のような場所ではないかなと思います。麻生大臣も「日本にとっての高天原のような場所」という表現をしていました。

 そういうウクライナを連合協定を通じて、EU側に引き寄せようとしたことがやり過ぎだったのではないか、ロシアの寂寥感と過剰反応を招いたのでは、と聞きました。さすがにリアル過ぎる質問だったのか、薗浦政務官、林局長いずれも答弁は「控えたい」という答弁でした。

 後半はカザフスタン投資協定が掛かっていることから、同国について聞きました。

 ナザルバーエフ大統領はソ連崩壊後に大統領に着任して、24年間ずっと大統領です。類似のケースとして、タジキスタンのラフモン大統領、ウズベキスタンのカリモフ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領辺りです。しかも、あの国には初代大統領法という法律がありまして、憲法上は大統領の任期は2期ですが、初代大統領の身はその任期制限を取っ払うという内容です。しかも、最近の大統領選挙では97%を超える得票率で再選しています。

 そういう長期政権と大統領選挙での圧倒的勝利の状態というのは、実は国のガバナンスが低下する傾向にあることを示しているのではないかという事を聞きました。これもあまり答弁がありませんでした。

 では、外務省資料によくあるガバナンスというのは何を指しているのか、ということを聞きました。これも「一義的に言えない」といった答弁でした。グッド・ガバナンスは大事だと言いつつ、その中に何が含まれているかは明示しないというのは違和感があります。政治的多元性みたいなものは含まれるかという質問ですら、答弁ははっきりしませんでした。もうちょっと定義した方がいいと思うのですけどね。

 最後にアフリカのケースを少し出してみました。タンザニアのジャカヤ・キクウェテ大統領は2期10年で退任します。前任のベンジャミン・ムカパ大統領も同様でした。あの国は相当にアフリカでも安定的な勢力として位置づけられるでしょう。逆にお隣のブルンジでは、最近、ピエール・クルンジザ大統領が憲法改正で3期目を目指すことに対してクーデター騒ぎがありましたし、西アフリカではブルキナ・ファソのブレーズ・コンパオレ大統領は憲法改正による任期延長を行おうとして放逐されています。やっぱりこういう憲法改正で任期延長を志向するのは、宜しくないのではないかなと問いましたけど、これも答弁はありませんでした。

 今回は理念的な話が多かったですね。国会最終盤でありますので、普段なかなか聞くことが難しいアカデミックな視点も取り入れながらやってみました。

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