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投資家と金融機関の利害対立を解決する名案は無いのか?

最近思うのは、誰かと何かを一緒にするとき、インセンティブが同期化していると、長期で良好なリレーションを構築でき、良い結果が出せるということです。逆に、利害が対立してしまうと、短期的には何とか誤魔化せても、長期的には関係がギクシャクしてしまうのです。

例えば、本を作るときの編集者と著者の関係です。

一緒に本を作ることになって、最初は良い作品を作るという同じインセンティブがあるので、テンションを高く執筆をすることができます。

ところが、編集者のインセンティブは、「売れる本を作ること」、そして「出版計画通りに作ること」にあります。編集長から売れる本を作れ!と言われ、社内の営業部隊からは、発売日が遅れないかプレッシャーがかけられています。

一方の著者の目的は、「自分が満足できる本を作ること」、そして「出来が悪ければ時間をかければ良い」です。

つまり、最初は一緒に同じ方向を向いていたはずなのに、締切が迫ってくると、計画通りに何とか出版させたい編集者と、内容に妥協したくない著者の利害は対立することがあるのです。

できる編集者は、著者の執筆能力を勘案して余裕のあるスケジュールで制作を進め、この利害対立が発生する前に仕事を終わらせるのですが、著者が欲張ってたくさんの本を同時に作ろうとしたりする(←誰の話?)と、どうしてもこのような険悪な状態になってしまうのです。

投資家と金融機関ではどうでしょうか?

投資家は投資商品を金融機関から購入し、手数料を支払います。売買手数料であれば、投資家には手数料を下げたいというインセンティブがあり、金融機関には手数料をたくさんもらいたいというインセンティブがありますから、利害は対立します。

信託報酬のような残高と期間によって手数料が決まってくるようなものは、売買時の手数料とは異なり、金融機関も長期的な関係を考えるようになります。適切なフィーを設定して、長期でたくさんのお金を投資してもらうことによって安定的な収益にすることができるからです。しかし、このようなフィー体系であっても、投資家にとってはやはり低い方が良い訳で、利害対立は根本的に解決されていません。

この問題は、ここ数年ずっと考えていることなのですが、根本的にお金では解決できない問題なのだと思っています。利害対立を解決するには、金銭を超えたメンタルな世界でのインセンティブを考えるしか無いように思えます。

それが、何なのか?ここには書きませんが、手数料だけで考えていては、顧客との関係においてブレイクスルーが無い。金融機関の限界を突破する別の視点、これが見えれば新しいリレーションシップ構築の可能性が見えてきます。

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