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選考のあり方にさらに疑問に感じさせた佐野さんの最初のデザイン案

佐野研二郎氏の最初のデザインが公表されました。ありきたりなTに赤い丸を置いただけの、まったくオリジナリティに欠け、バランスも悪いデザインです。この案が選ばれたとすると、他の対抗案がよほどレベルが低かったということでしょうか。そうでなければ最初から結論ありきだったのではないかとすら疑いたくなる代物です。

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佐野研二郎氏のエンブレム、原案から決定案までの過程が判明

一言でグラフィックデザインといっても、写真や文字、図形、ロゴタイプなどをレイアウトしていく広告デザインの分野と、オリジナルなかたちを追求していくシンボルマークデザインや文字を造形するタイポグラフィの分野ではかなり発想の仕方もデザインを作成する方法も、求められる知識やスキルも違います。

佐野さんは他の作品を見ても、いかにも広告デザイナー的なデザインで、シンボルデザインやタイポグラフィをデザインするタイプの方ではありません。たんにありものの文字や図形を組み合わせ、レイアウトし、微修正するだけなので、類似作品も自然多くなってしまいます。佐野研二郎さんのデザインでつぎつぎに類似したものがでてくるのもそれが理由だと思います。

当然商標でも類似したものが出てくるリスクが高く、選考した人たちが直感的にそれを予測できなかったとは驚きです。その選考のなかにシンボルデザインの実績もある永井一正氏がはいっていたことも信じられないことですが、しかも類似商標がでてきたために原案を大幅に修正したというのはデザイン決定の手順が違います。候補案を絞り、類似がないかを調査して、最終的にデザインを決定するのが筋です。

そういったことを考慮すると、ネットで囁かれている「出来レース」だったという風評もあながち否定できなくなってきます。どうも選考委員の方も佐野さんのお仲間のようですが、閉鎖的で特殊な村社会が生み出した出来事なのかもしれません。

それで思い出したことがあります。昔、イギリスのデザイン会社と仕事をしていたこともあって、その関係から、イギリスのデザイン雑誌から依頼を受け、記者が日本の著名デザイナーの人たちへの取材を通訳を含めサポートしてくれたスタッフがいました。

そのスタッフによると、その時に、取材を終えた記者が、イギリスのデザイン界と日本のデザイン界の根本的な考え方の違いに驚いていたというのです。イギリスのどの著名デザイナーも、イギリスのデザインは今こんなトレンドでこんな潮流があるけれど、自分は、彼らとは全く違う独自のデザインを追求していると主張するのに対して、日本のデザイナーは、どの著名デザイナーも、自身が日本のデザインのトレンドや潮流の中心にいることを強調したそうです。

もしかすると「群れる」のが好きな素地、オリジナリティよりも権威に重きを置くDNAがあって、それが引き継がれ、仲間内の狭い世界をつくってきたのかもしれませんね。

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