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ネットフリックスで話題はとれるとしても、ソフトバンクは大丈夫なのか

TechCrunchの記事で「世界で最も実用性に欠けるたリモコン」と酷評されたSONYのスピーカー内蔵の代物です。こんな発想はジョークとしてはあってもいいし、またアイデアを膨らませる誘い水としてはいいと思いますが、実際にプロトタイプづくりなり、製品設計にまで踏み込んだとすれば、SONYが、いくらようやく黒字化してきたとはいえ、そんな市場性の疑わしいものにとりかかっている余裕があるのかと思ってしまいます。開発者の独善、暴走というものでしょうか。

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SONYは、このばかばかしいテレビリモコンにフルサイズのスピーカーを詰め込んだ | TechCrunch Japan

独善と暴走といえばソフトバンクのPepperが思い浮かびます。しかも、ロボット開発現場と孫社長の熱い想いにギャップがあるようで、開発リーダーの林要さんが退職されるようです。ご本人のフェイスブックです。
林 要 - ソフトバンクを退職させていただくこととなりました。 Pepper開発リーダーとしての役割も終える事となります。...

タブレットを首から下げたPepperも、最初は珍しさから売れたでしょうが、そもそもがお客さまの目を楽しませる商業目的なので、数が売れると価値がなくなる宿命で、さらなる進化が必要なだけに開発リーダーの退職はダメージかもしれません。

孫社長といえば、最近ソフトバンクはご自慢の「純増トップ」の座から転落し、さらに買収した米国の通信会社スプリントの立て直しも、その鍵を握っていたTモバイルの買収に失敗し、ついに米国の携帯市場で第4位に転落してしまいました。そのスプリントを売却する動きもあったようですが、うまくいかなかったようです。なにか孫社長の運気が変わってしまったのかと思わせます。

そのせいか、昨今は、ご機嫌で威勢のいい孫社長の姿をネットで見ることもなくなったと思っていたら、Pepperの社内発表会での孫社長のものすごい形相の写真がでていて、なにか見てはならないものを見てしまった気分にさせられます。
【衝撃】孫正義に詰められていたPepper開発リーダー林要さんがソフトバンクを退職 | netgeek

いやそれだけでなく、スプリント再建についてのプロジェクトも孫社長の進軍ラッパが鳴り響き、プロジェクトXさらがらの、凄まじい修羅場と化していたようです。ウォール・ストリート・ジャーナルが記事にしていました。
 孫氏はソフトバンクのエンジニアたちにスプリントのネットワークを安上がりに改善する計画を考案させようとした。東京での4カ月にわたるその取り組みには、二十数人のスプリント従業員も参加した。そのチームは少なくとも一時期、孫氏のオフィスと同じ階にある会議室で1日16時間働くこともあった。

 ある参加者によると、朝食、昼食、夕食がその会議室に持ち込まれ、孫氏も午前と午後に進捗を確かめに来たという。

 孫氏によると、スプリントのエンジニアと社外の設備販売業者は当初、その計画について実現不可能だと主張したという。

 「彼らはそれがうまくいかない理由を100個ほど考え出した」と孫氏は振り返る。「そこで私はこう言った。その100個のうまくいかない理由の一つひとつに私が解決策を見つけよう。そして私は、すべてのうまくいかない理由に対し、非常に論理的な解決策を考案した」。

 スプリントは今や、既存のネットワークに従来の方法よりもかなり安価な技術を使った数万もの小規模な基地局を追加することを計画している。
ソフトバンク、スプリント立て直しの内幕 - WSJ

Pepperがビジネスとしてブレークスルーするにはまだいくつかの高いハードルを越えていく必要があるのでしょうし、スプリント再建のハードルも高いと感じますが、そうであるほど燃えるのが孫社長です。ただ懸念されるのは、果たして神がかったゴールに向けて邁進させられるチームのモチベーションが維持できるのかです。

ただ、さすがに孫社長は抜け目がありません。

提携したネットフリックスのサービスが、いよいよ9月2日に迫ってきました。日本で先行したHuluは、赤字を日本テレビに押し付けてさっさと逃げましたが、Huluがこれまでやってきたことの実績からの教訓を生かせます。最安値のプランを税抜きで650円に抑えたことがなによりもそれを物語っています。

しかも、今ではiPhoneの独占販売の優位を失い、携帯事業での新たな差別化の切り口とが求められてきているソフトバンクにとっては、ネットフリックスの受付窓口独占はプラス材料になってきます。

ちなみに、Huluは価格の値下げや日テレへの事業譲渡でユーザー数は伸び、今では100万ユーザーを獲得し、売上も100億円を超えたようで順調のように見えますが、日テレが発表した平成27年3月期決算によると、年度の売上高は83億3900万円とそれなりの規模となっていたのですが、問題は営業損失が36億5000万円と赤字幅が大きく、そこに今年はネットフリックスやアマゾンなどのサービスがスタートするので大変です。

定額動画配信については、よほどアメリカドラマが好きでもない限り、契約してもすぐに見たい番組がなくなってしまいます。だから日本のコンテンツをいかに充実させるかが鍵になりますが、さっそく吉本が又吉直樹さんの『火花』を映像化し、動画配信世界最大手の米ネットフリックスで独占配信するとか。
吉本、又吉氏の小説「火花」映像化 ネットフリックス独占  :日本経済新聞

ソフトバンクが米Netflixと業務提携、サービス取扱いに加えオリジナルコンテンツの共同制作を検討:MarkeZine(マーケジン)

鍵を握っているのは放送局などが持つ番組コンテンツをいかに集積させることができるのかにかかっています。いくら立派なリコメンド機能が売りでも、オススメ番組が貧弱だとなんの役にもたちません。米国のようにケーブルテレビで有料視聴する米国と違って、NHK以外は無料で見ることができる日本で、ネットフリックスをはじめ定額の動画配信事業が成功するかどうかはいまだに未知数です。

さて、ソフトバンクの孫社長の進む道に吹きこむ風も乱気流が入り混じりはじめてきていますが、見事ハードルを超え、新たな成長の法則が発揮されるのか、思惑が外れ失速が始まるのか、よくわからなくなってきました。ただ外野席から眺めるとまことに興味深く、目が離せなくなったという感じでしょうか。

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