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投資家との利害が対立する手数料、一致する手数料

<業務連絡>
日経WOMANオンラインの連載、「内藤忍のおカネでアナタの人生変える方法教えます」の相談者H子さんの最終回。テーマは「私のお金を使い続ける「自立しない母」」です。

講談社現代ビジネス「内藤氏忍のグルメ設計塾」は「グルメ設計塾総集編  内藤忍の選ぶベスト10はこれだ! vol.1」です。
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相手との利害は対立するより一致する方が、信頼感が成立し物事はうまくいきます。

例えば、誰かに仕事を依頼する時は、その仕事を早く、確実にこなしていくことが、自分にとっても、相手にとってもメリットがあることを共有するようにもっていく。そうすれば、相手にもスピーディに対応してもらえます。そうして信頼感も確立していくことができます。

逆に、利害関係が対立しているような場合は、大変です。自分のメリットは相手のデメリットになるわけですから、騙されないようしなければ、とどうしても疑心暗鬼になってしまうのです。これでは信頼関係は成立しません。

これは金融の世界の売り手と買い手の関係でも同じです。

投資信託の手数料を考えてみると、コストの負担方法によって、投資家との利害が対立する場合と、投資家との利害が一致する場合があることがわかります。前者の場合、信頼関係が成立しにくくなってしまうのです。

例えば、販売手数料。これは、購入時に金額に対して一定比率でかかるものです。販売手数料1%なら、100万円買うと約1万円、3%なら、約3万円かかります。この販売手数料は、投資信託を販売している銀行や証券会社(販売会社)が受け取るものです。この販売手数料は、投資家と販売会社の利害は対立させます。

なぜなら、販売会社には手数料が1%のファンドより3%のファンドを売りたいというインセンティブが働くからです。そして手数料が高ければ高いほど、投資家のリターンは低下します。つまり2者でパイの奪い合いをしている状態です。販売会社がファンドのクオリティではなく、手数料の高いファンドの販売を優先することになったら、投資家にとってデメリットになります。

一方の信託報酬。これは、投資信託を保有している期間にかかります。残高と保有期間に比例するものです。販売会社、運用会社、管理会社が一定のシェアで受け取るものです。

信託報酬が販売手数料と違うのは、投資家と売り手の利害は、(完全ではありませんが)一致します。

なぜなら、売り手には投資家が長期にたくさんのファンドを保有してもらいたいというインセンティブが働くからです。そのためには、運用成績を良くし(運用会社の仕事)、きちんと資産を管理を行い(管理会社の仕事)、運用状況などの情報提供をしっかり行っていく(販売会社の仕事)ことが大切になるからです。そのような努力は、投資家にとってもメリットになります。

投資信託にかかるコストは、投資家が負担するという点では同じであっても、意味合いが異なることは知っておくべきでしょう。

販売手数料のかからないファンドをノーロードファンドと言い、ネット証券を中心に販売が広がっていますが、単にコストが下がるというだけではなく、販売手数料が無くなることによって、利害が対立するような歪んだインセンティブを防止する効果もあります。

投資家と売り手が同じ方向を自然に向けるような仕組みにしておくことが、個人投資家が安心して売り手に投資相談ができるようになるための第一歩ではないかと思います。

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