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【特別インタビュー】メディアアーティスト真鍋大度が初めて語る、ハッカソン、人工知能、DJカルチャーで変貌する音楽の未来とは?

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「リコメンデーション」「サブスクリプション」「ストリーミング」…。近年、急速に変化する音楽テクノロジーは、今後音楽の世界をどのように進化させるのか? Apple MusicやSpotify、AWA、LINE MUSICなど、広がり始めた定額制の音楽サービス。音楽の聴き方が変貌している一方で、アーティストとライセンスの問題など、テクノロジーによって生まれる課題も増えています。音楽とテクノロジーは寄り添って進化できるのだろうか? そして音楽の楽しみ方はテクノロジーでどう変わるのだろうか?

そんな大きなテーマを紐解く糸口を探るべく、プログラマー、DJ、メディアアーティストでもある、Rhizomatiks Research真鍋大度さんにお会いし、単独インタビューをさせて頂きました。

真鍋さんは8月21日から3日に渡り都内で開催された、世界的な音楽ハッカソン「Music Hack Day」日本版の審査員を務めました。Perfumeのライブ演出の技術サポートやNosaj Thingのミュージックビデオやオーディオ・ビジュアルショーなど多数のアーティストとのコラボレーション・プロジェクトに積極的に携わってきた真鍋さん。一方で人工知能やドローン、センサーなどのテクノロジーを活用したアート作品や実験的なプロジェクトを海外フェスティバルで数多く発表し、メディアから賞賛を集めるほど、あらゆるテクノロジーと音楽の常識を再構築できる”音楽ハッカー“です。

あらゆる場所で好きな時に楽しめるように進化してライフスタイルを変えつつあるデジタル音楽。この世界は私達が本当に求めていた音楽の未来の姿なのでしょうか?音楽を媒体として、メディアや技術の在り方を常に模索してきた真鍋さんには、テクノロジーが変革する音楽世界の先は何なのかを、聞いてみました。これまで真鍋さんが語っていない話を含めて、7500文字以上に及ぶインタビューをお届けします。

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PROFILE
真鍋 大度 | Rhizomatiks Research
メディアアーティスト、DJ、プログラマー

2006年Rhizomatiks設立、2015年よりRhizomatiksの中でもR&D的要素の強いプロジェクトを行うRhizomatiks Researchを石橋素氏と共同主催。プログラミングとインタラクションデザインを駆使して様々なジャンルのアーティストとコラボレーションプロジェクトを行う。

2008年、自身の顔をデバイスとして用いて制作した『electric stimulus to face-test』 を世界30都市以上で発表。その後Ars Electronica(Linz)、STRP Festival(Eindhoven)、Resonate(Serbia)、Sónar(Barcelona)などの海外フェスティバルに数多く招聘され、様々なインスタレーション、パフォーマンス作品を発表。
インスタレーション、データ解析を担当した『Sound of Honda / Ayrton Senna1989』は2014年 Cannes Lions International Festival of CreativityにおいてTitanium & Integrated部門グランプリを含む15の賞を受賞している。

国内外のミュージシャンとのコラボレーション・プロジェクトも積極的に行い、Nosaj Thing、FaltyDL、Squarepusher、Timo Maas、岡村靖幸、やくしまるえつこらのMV監督のほか、坂本龍一とのインスタレーション作品『Sensing Streams』、Nosaj Thingのライブセットのビジュアルディレクションとプログラミング、Perfumeのライブ演出の技術面を担当。2011年よりダンスカンパニーELEVENPLAYとコラボレーションし、コンピュータービジョンなどの機械学習技術、ドローン、ロボットアームなどのテクノロジーを用いて作品制作を行う。
http://daito.ws/
https://twitter.com/daitomanabe

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ー お忙しい中、お時間をいただき有難うございました。今日は音楽の未来がテクノロジーとの関係によってどう変化していくのか、真鍋さんのお考えを聞かせて頂ければと思っています。早速ですが、最近はどのような音楽プロジェクトに関わっていらっしゃいますか?

真鍋:今海外アーティストのミュージックビデオ(MV)をRhizomatiks Research、takcom、MIKIKOさんで作っています。もうすぐリリースできると信じてます(笑)。今、ライブの話以外にもビデオを作ってくれというオファーは多いですね。10月にも制作に携わった海外アーティストのMVがリリースされる予定です。自分の好きなアーティストを人づてで紹介してもらう時もありますし、僕がSoundCloudやMixCloudのアカウントを持っているのがきっかけで、ミュージシャンから直接アプローチされることもありますね。最初はDJプレイ用のサウンドファイルのやりとりから始まって、「何か一緒にやろうよ」みたいな感じになります。

今MVの予算がどんどん少なくなっていることもあり、なかなか全部やるわけにはいかないですけれど、年に3-4本はやっていますね。

歌があるトラックはMV制作も少し変わってきます。例えばNosaj Thingの”Eclipse Blue”は演出振付家のMIKIKOさんにお願いをして歌詞を踊りに翻訳してもらっています。インストだと、結構自分の解釈で自由に曲のイメージが作れるんですけれど。例えば、これ前に作ったTimo MaasのMVですけれど、楽曲を聴いてイメージした機械を作って動かしている様子を撮影しました。





あとはスクエアプッシャーのMVですね。これはロボットバンドが演奏するというお題があって、ロボットの制作やシステムは他のチームがやっていて僕は撮影監督をお願いされました。最初は他の監督が候補に上がっていたそうなのですが、その方の作っていた過去のMVの音楽性や世界観がスクエアプッシャー本人的にはハマらなかったらしく僕にオファーが来たそうです。TimoのMVと同じ様にミニマルな印象が前に出る様に撮影しました。



僕自身も音楽に対するこだわりは大きい方なのでミュージシャンとのコラボレーションは厳選しています。サカナクション、Hifana、岡村靖幸さん、RadWimpsの野田洋次郎くん、やくしまるえつこさんなど、国内のミュージシャンとコラボしましたが、彼らの音楽、音楽に対する姿勢にリスペクトしているので一緒に作業出来ることは自分にとって何よりの体験です。

VJは、音と映像の関係を瞬発力でどう構築していくかが重要な気がしますが、MVの場合は一曲を何度も聴き込んで構成を作る面白さがありますね。VJも最近はGracenoteやEcho NestのAPIを使ったりscikit-learnやgesture-recognition-toolkitなど機械学習のライブラリを多く使うようになってきました。単純なオーディオリアクティブな時代から推定、認知の時代に移行し始めましたがIBMのワードを借りてコグニティブ(VJ)と呼んでます。

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