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[不動産投資編]米国不動産王から投資の基本を学ぶ

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またトランプ氏は投資対象の不動産について
「つむじ曲がりのようだが、私はこみいった取引にひかれる。その方が面白いという理由も一つだが、難しい取引の方がねらったものが安く手に入るからでもある」と。


これは、つまり権利調整が複雑な(複数の所有者がもっているような)不動産を好むということなのですが、所謂「地上げ」もいとわず自らやっています。

実際にかれは複雑な権利調整を仕上げてNYの一等地を手に入れています。


また、トランプ氏は不動産の所有者にこんなコンタクトの手法を取っています。
「それでも私はあきらめなかった。今度は手紙を書くことにした。まず会ってくれたことに感謝する手紙を書いた。それから2・3か月たってから考えなおしてもらえないだろうかという手紙を出した。返事がないまま数カ月過ぎたので・・・(中略)。さらに時が経ち、今度は・・・(中略)反応は何一つなかった。私は執拗に続けた・・・」
まずは直接コンタクトを取り、それが駄目なら何度も何度も手紙を書くといった地味な交渉を永遠としているのです。


また融資に関してもこんな一文も
「2・3の投資銀行と相談を始めた。たとえその為に高い金利を払うことになっても、自分自身でリスクを負うことを避けたかったのだ」と。
つまりこの場面は融資を引っ張るにしても実に慎重であり金利の条件より「プロジェクト・ファイナンス」にこだわった場面でした。
実際、同氏はこの自伝を書いた後、数度破綻しかけたようですが、その度にどうにか再び復活してきたようです。
その理由は(日本の融資制度とは根本的な異なるとは言え)やはりファイナンスの種類にこだわってきた様子が本書からも分ります。


私なりに強引かつ端的にまとめると、トランプ氏の相当凄い所は、まず
1)長期に渡って(数年以上)投資機会を待てること
2)一等地を権利調整(いわゆる地上げをして)して入手していること
3)それを基本的には自分で直接交渉して行っていること
4)しかし、ファイナンスの条件や契約条件には非常に慎重でシビアなこと


つまり単純な成り上がりの勢いだけで金持ちになったのではないということがよく分ります。相当老練な投資家です。


日本でも、相当高齢な本当の投資家というか事業家の方には、こういった考えで投資されている方はいらっしゃいますが(父親がデベロッパー兼大家業を既にしていたことを割り引いても)40歳前半でこの投資手法を既に体得しているのは、やはりただ者ではないと感じました。(当たり前か、笑)


一般の投資家の方にとっても色々な示唆と投資のヒントに富む自伝であると感じました。


***


実需から投資まで〜不動産投資顧問、調査、コンサルティング
株式会社長谷川不動産経済社

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