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食料自給率の向上 安定的な農産物の供給に必要

農林水産省は、2014年度の日本の食料自給率が39%(カロリーベース)にとどまったことを発表した。自給率は5年連続で4割を切ったことになる。

食料自給率は、国内の食料消費が国産の農産物でどの程度賄えているかを示す指標だ。自給率が低迷傾向にある中、実際の店頭などに並ぶ農産物の大半が輸入品で占められるようになって久しい。

輸入品で賄えるのであれば良いのではないかという考えもあるが、過去には使用期限切れや違法薬物の混入など食の安全を脅かす出来事が相次ぎ、輸入品への不安が付きまとうのも事実だ。そのため、安全性が高いと信頼されている国内産が選ばれる傾向は強い。その意味で、食料自給率の向上は、安全な農産物を安定的に提供する上で重要だ。

ところが、日本の自給率は低い。カナダ(258%)やフランス(129%)に遠く及ばず、先進国でも最低水準に位置している。

食生活の欧米化やコメ消費量の減少、食料輸入の増大が自給率低迷の主な要因と指摘されている。近年、和食ブームの到来で国産食材への注目が集まっているものの、自給率向上に結び付いていない。

政府は、25年度までに自給率を45%に高める目標を掲げているが、農業の生産性をいかに向上できるかにかかってくる。そのためには、大規模で効率の良い営農を広げたい。担い手を確保・育成するため、就農に必要な資金援助や技術面のサポートとともに、農業生産法人や企業の参入を進めることが不可欠だ。

国産農産物の利用を促進するためには、学校給食をはじめ公共機関や企業などの食堂で国産食材を使った料理をさらに増やすとともに、国産食品を味わえる加工品などの開発への支援も強化したい。

世界の食料需給は逼迫傾向にある。人口の増加や開発途上国の経済発展で、世界全体の食料需要は、約44億トン(00年)から約69億トン(50年)に増加すると予測されている。

内閣府の調査では「将来の食料供給に不安がある」と答えた人は83%に上り、その多くが国内の供給能力の低下を理由に挙げている。国民の不安を払拭するためにも、自給率向上を進めていきたい。

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