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【参院厚労委】「厚労省が描く派遣労働の姿と、当事者の意識が乖離」津田議員

 参院厚生労働委員会で20日、労働者派遣法改正案の審議が行われ、津田弥太郎議員が派遣労働のあり方について自らの考えを主張しつつ、政府の見解をただした。

 津田議員ははじめに、「厚生労働省が今回の法案で『実現する』と主張するバラ色の派遣労働の未来と、当事者である派遣元・派遣先の意識とには相当隔たりがある」と指摘した。一例として、先般名古屋市で開いた地方公聴会で公述人として出席した大手派遣元企業役員は、法案に盛り込まれている派遣労働者への雇用安定措置や教育訓練の義務付けに対する意識が極めて希薄だったと振り返った。一方、派遣先企業側では「この法案によって派遣労働者が正社員と同じ仕事が出来るようになり、職場の一体感の醸成につながる」という趣旨の発言があったことも紹介し、「職場の一体感を強めたいのなら、派遣労働者を直接雇用をすればいい。正社員より安上がりな費用で正社員と同じ働きを期待するのがわが国のトップ企業の姿だ」と断じた。

 その上で、派遣労働者の受け入れに関して、法案に盛り込まれている「過半数労働組合等に意見聴取」だけでは実効性がないと指摘。厚労省によると、労働基準監督署に提出された過半数労働組合等の意見書19万4089件について確認したところ、過半数労働組合等の賛成を得ずに就業規則の変更を届け出た事業所は2069件あり、そのうち803件は直前の就業規則の変更届け出についても労働組合の賛同を得ていないとされ、この結果に津田議員は「労働組合の反対を押し切って就業規則を変更する事業所の半数は、こうした対応を連続して行っている」と解説し、「過半数労働組合が2度続けて反対したときは派遣労働者の受け入れを中止するようにすべきだ」と主張した。

津田議員2

 続いて津田議員は、派遣先企業の団体交渉応諾義務について「厚生労働省は、派遣先事業主であっても一定の場合には団体交渉の応諾義務が生じることを、指針等に明確に示すとともに労使に広く周知徹底すべき」と主張した。塩崎厚労大臣は「この点は、持ち株会社や投資ファンドなど、労働契約の当事者以外の事業主全体の課題として検討すべきもの」として研究を進める考えを示した。

 労働契約申し込みみなし制度については津田議員は、「この制度が真に意味を持つためには、派遣先から派遣労働者への通知義務が不可欠だ」として法案の条文修正を求めた。その上で、この制度が一定程度実効性を持ったとしても、その場合に認められるのは当初の労働契約期間のみであることに着目し、「この制度によって派遣先が派遣労働者を直接雇用した場合に、労働者が当初の契約期間が満了した後も引き続き直接雇用を希望する場合には、『派遣先はそうした希望に応えることが望ましい』という指針を書き込む必要がある」と主張した。

 さらに津田議員は雇用安定措置に関して、派遣労働者が派遣先への直接雇用を望んだ場合に、法律上の義務は派遣元が派遣先に依頼するよう求められているだけで、派遣先がこれに応えなければならない規定は「何ら存在しない」とし、「直接雇用の依頼を受けた件数に対して、派遣先が直接雇用した人数が著しく低い場合には、その企業名を公表してはどうか」と提案した。

民主党広報委員会

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