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『3.11』 価値観の変化と常識のご破算

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 かつてのアメリカ同時多発テロ事件によって「9.11」という言葉が生まれたように、今回の日本の大地震によっても「3.11」という言葉が生まれた。そのようなこともあってか、最近では「価値観が変化した」または「価値観が変化する」という言葉がよく聞かれるようになってきた。
 これまで固く信じられたきた常識が、ある事件によって一瞬にして崩壊するということはよくあることだが、日本の場合、ここ数年来、常識を覆すような事件が相次いでいる。

 例えば、潰れる心配が無いと思われてきたJALの経営破綻、正義の象徴(省庁)だと思われてきた検察という組織の信用失墜、伝統的な国技だと思われてきた大相撲界の八百長発覚など、細かく数え上げればキリがないほどだ。
 そして今回は、絶対に安全だと思われてきた原子力発電所の安全神話が一夜にして崩壊し、逆に危険な物の代名詞であるかのように取り扱われている。これまでは宇宙からの隕石北朝鮮からのミサイルでも直撃しない限り大丈夫だと思われていた原発が、まさか地震による津波で事故に発展するとは誰も予想だにしていなかったと思う。

 この影響から株式市場でも、最もリスクの少ない安定企業の1つと目されていた東京電力が、日本一の“ハイリスク銘柄”に突然変異してしまった。電力企業の株式は低リスクで安定的な配当が得られることで長期投資家には人気の銘柄だったが、もはや「電力株は資産株」という株式市場の常識すら崩壊してしまった感がある。
 
 今回の大地震によって、検察の隠蔽問題や大相撲の八百長問題がすっかり陰に隠れてしまった気もするが、こういった一連の事件の根元には同じ問題が隠れているように思えるのは私だけだろうか?

 「価値観が変化した」というのは一般的な意見だが、私の場合、個人的には「価値観が固定した」と思えたものがあった。それは、良くも悪くも「日本は社会主義国家だった」という認識である。今回の地震報道や事後対応策等を観るにつけ完全にそのことが証明されてしまったと言っても過言では無いと思う。

 地震が発生した後のテレビ番組といえば、民放は全チャンネルともに24時間体制で地震のニュースのみを伝えていた。別にそれが悪いことだとは思わないが、日本列島が地震報道1色に包まれた。それが意図的なものであったのどうかは定かではないが、こういった戦時中のような報道体制からは、「日本国の一大事は全てお役人が統制し、国民を導かなければならない」というような、どこか威圧的な空気を感じたのは私だけではないと思う。

 しかし、お役人や政府がそのような手段を講じるまでもなく、大部分の国民は今回の地震について我が事のように感心を持った。たとえ、テレビで地震報道以外の番組が放送されていたとしても、多くの国民は自主的に地震の情報を入手することに努めたはずである。
 政府が国民を情報統制するまでもなく、国民の自由意志によって義援活動は進められたはずであり、実際にそうなっている。わざわざ政府が音頭を取るよりも、国民の自由意志に任せておいた方が事が早く進むのではないかとさえ思えた。
 
 普段、左翼等から目の敵とされているアメリカ軍も「トモダチ作戦」と称して大々的な支援活動を行っている。曲がりなりにも民主主義が根付いたアメリカの方が緊急時の対応は迅速で、いざという時には頼りになると思えたのは私だけだろうか?
 もし今回の地震がアメリカで発生していた場合、日本は現在のアメリカのような迅速な対応ができたかどうかは疑わしいと言わざるを得ない。おそらく経済的な援助をするのみで、対岸の火事として長い間動かずに放置することになっていたのではないかと思う。

 誰かに指示される(または問題が発覚する)まで動かない国と、国民の自由意志を尊重する国とでは、危機管理における対応速度にも大きな違いがあるということをまざまざと見せ付けられたような気がした。
 建前や形式だけを重んじ、いざという時にはほとんど役に立たないどころか、返って事態が悪化してしまうという危険性を常に内包している社会、それが日本が抱えた最大のリスクであるということが朧げながらに見えたような気がした。その危険性の正体こそが、社会主義の危険性であることは言うまでもない。

 「3.11」という言葉はアメリカ同時多発テロ事件に続く時代の転換点を示すキーワードとして今後も様々なところで使用されるのだろうと思う。
 日本は現在、大きな岐路に立たされており、単に「価値観が変化した」と言うだけでなく、実際に価値観を変化させなければいけない立場にあるのかもしれない。しかし、「3.11」が日本にとって良い方向に向かうターニングポイントであったと言われるようになるためには、是正しなければならない問題が山積み状態である。及ばずながら私も当ブログを通じて、その問題点を追及していきたいと思っている。

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